アダンの実の植え付け作業
奄美自然学校 環境省推進事業を活用
「本来の奄美の姿」目指し開催
奄美自然学校(永江直志代表)は18日、奄美市笠利町の用海岸でアダンの実の植え付け作業を行った。環境省の「国立・国定公園への誘客の推進事業費」を活用し、奄美の①海岸②森③マングローブ林の保全や再生活動ーをする。今回は36人の参加者、奄美群島国立公園管理事務所(3人)、観光ネットワーク奄美(5人)の職員らが参加した。
奄美自然学校は、将来的に現在用海岸付近にある外来種のモクマオウ(オーストラリア原産)を伐採し、奄美の海岸林であるアダン林の再生を目標に掲げる。また、これまでの観光ツアーだけではなく、自然環境の保全・再生を参加者自ら行い、奄美群島国立公園の魅力を維持向上させる持続可能なツアー(エコツーリズム)の実現を目指す。
作業は6チームに分かれて実施。1チーム200個の実を海岸に植え付けた。実は植え付け用に、事前に笠利町の東海岸を中心に集めたもので、発芽を促進するために一部をカットしたという。永江代表は「アダンを実から育てるという取り組みは実験的な部分があるため、いくつかのパターンの植え方を試した。また、できるだけ潜在自然植生に近づけるため、植え付け場所から近いところで実を収集した」と話した。
計1200個の植え付け終了後、こちらも試験的に4週間土のうの中に置いて発芽させた実を一人一個植えた。
同市から訪れた小島るりさん(朝日小4年)は「アダンの実が完熟すると、食べることができることなどの特性を知った。アダン林が増えた海岸の景色が楽しみ」と話していた。
作業後、参加者で用海岸のビーチクリーンをし、解散した。