ミカンコミバエ生活史(沖縄県病害虫防除技術センター提供)
県経営技術課は23日、徳之島町で果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの幼虫の寄生が確認されたと発表した。寄主果実はグアバ(バンジロウ)。これまでトラップにより雄成虫の誘殺は確認されているが、雌の生息を示し繁殖(定着)の可能性がある幼虫の確認は、徳之島では2015年以来。町役場は国・県の関係機関と連携して、24日からグアバなど寄主果実の除去、回収作業に乗り出す。
同課の発表によると、徳之島町の同一のトラップで10月20日に2匹、21日に1匹の雄成虫の誘殺を確認。21日に同トラップの周辺で寄主果実を採取し、国(農林水産省植物防疫所)が22日に切開調査したところ、ミカンコミバエと疑われる幼虫の寄生を確認。同日夜、ミカンコミバエの幼虫であることが確定された。
徳之島での幼虫確認は、2015年以来だが、同年は大量発生により奄美大島(加計呂麻・請・与路島を含む)で緊急防除による移動規制が行われた。今年度の県内での幼虫確認は、県本土で初となった南大隅町(9月23日)、指宿市(10月21日)に続いて。
幼虫が確認されたことで徳之島町での初動対応が強化される。22日には確認されたトラップを中心に誘殺板(テックス板)1000枚を散布したほか、24~25日に、寄生が確認された地点を中心に寄主果実の除去作業を実施するとともに、ベイト剤(タンパク質加水分解物と殺虫剤の混合物)散布を予定している。
徳之島町役場農林水産課の高城博也課長は「24日に人員を動員し、幼虫の寄生が確認された母間地区を中心にグアバなどの摘果、果実回収に乗り出す。発生を抑えるには住民のみなさんの協力が大事であり、行政無線(23日夕方放送)を通して摘果や回収への協力を呼びかけていきたい」と語った。