絵の具まみれ〝自由奔放アート〟満喫

絵本作家・ミロコマチコ氏を講師に、絵の具まみれで自由奔放なアートを楽しんだ参加者たち=27日、徳之島町

ミロコマチコ氏

講師に絵本作家ミロコマチコ氏
徳之島町立図書館

 【徳之島】徳之島町立図書館(里光和恵館長)の「親子で楽しむワークショップ」が27日、日本絵本賞大賞など受賞した絵本作家ミロコマチコ氏(43)=大阪府出身、龍郷町在住=を特別講師に同町生涯学習センターであった。4歳児~小学低学年の子どもと保護者ら約40人が参加。「ふてか うん かかとぅ(でっかい海を描こう)」をテーマにアクリル絵の具にまみれ、自由奔放なアートの世界を体感した。

 同図書館の移転オープン20周年記念と「子ども読書週間」(4月23~5月12日)の関連行事として企画。本のリサイクル市も併催した。

 講師に招へいしたミロコマチコ氏は動物や植物を題材にした絵を得意とし、2012年に絵本『オオカミがとぶひ』で第18回日本絵本賞大賞。14年には『てつぞうはね』が第45回講談社出版文化賞、また『ぼくのふとんは うみでできている』が第63回小学館児童出版文化賞に輝いた。国外でも評価が高く、奄美大島に創作の場を移して5年になるという。

 今回の親子ワークショップの〝キャンバス〟は、ホール床面への水漏れ・汚染防止用のブルーシート上に広げた長さ約10㍍、幅約1・3㍍の耐水紙。参加者たちは、下描きしたザトウクジラの輪郭の中に油性ペンなどで好きなアニメキャラや海の動物、果物などを自由に描いた。

 続いてアクリル絵の具をスポンジに浸してスタンプするなど思い思いに着色。子どもたちは両手足や衣服も絵の具にまみれ、キャンバス上を滑るなど全身で創作。黄色い歓声とともに、大胆にもペットボトルで絵の具の希釈液をぶっかけて完成した。

 参加者の富岡佑公(たすく)君(亀徳小2年)は「いろんな魚やキョンシーをかいた。(キャンバス上で)滑るところも面白かった。おうちでもやってみたい」と話し、同伴の家族は「結果的にクジラ(下描き)は見えなくなったが、二度とできない色彩が素晴らしい」とにっこり。

 マチコ氏は「絵には決まりがなくむちゃくちゃな絵でいい。絵の具がぬるぬるしていて気持ちいいとか匂いも体感。ふだんお家や保育園、学校ではできないことを思いっきりできたらいい」。特徴としては「果物のタンカン、カメや魚など身近な海の仲間たちも登場。話をしっかりと聞いてくれる素直な子ばかりだったのが印象的」と話した。