立地協定を結んだ浜崎社長(左)と伊集院村長
東京に本社を構える㈱グレイ美術(浜崎哲義代表取締役社長)は31日、大和村と新設予定の観光施設に関する立地協定を結んだ。仮施設名は「奄美温泉 大和ハナハナ ビーチリゾート」。施設には宿泊や温泉、アウトドア設備など五つの計画を盛り込み、来年9月の着工を予定する。31日に同村体育館で立地協定調印式があり、村内の雇用創出や交流人口増加へ期待を高めた。
同社は2000年に大和浜~大棚地区にまたがる東シナ海に面した土地を購入し、現在は約23万平方㍍を所有する。新施設は、09年に休止したオープンスタジオ「奄美ハナハナ」のあった場所に設立する。
同村は林地開発や土地契約法などの行政手続きを指導し、スムーズな計画実行を促進する役割を担う。
新施設の目玉はすでに地層調査を終え、県の掘削=くっさく=許可を得たという温泉設備。21年春に掘削ボーリングの実施計画があるといい、露天風呂付きヴィラ宿泊棟での利用を想定する。将来的には日帰りで楽しめる大浴場を建設するとの計画発表もあった。
アクティビティとしては22年4月開設予定の▽家族向けのテント・バーベキューゾーン▽亜熱帯植物園、同年12月開設予定の▽グランピングゾーン▽天然露天風呂付きヴィラ宿泊棟、開設時期未定の▽温泉大浴場・温泉プールエリアの五つを設置する計画を示した。
また、会場の一角には施設内に設置予定のグランピング設備の見本が用意された。グランピングとは、英語で「優雅な」を意味する「Glamorous」と「Camping」を組み合わせた造語。道具を準備する必要がなく、快適にキャンプの醍醐=だいご=味を楽しめるスタイルだという。
伊集院幼村長は「大和村と宿泊業の企業協定は初めて。村発展を願う熱い思いに感謝する。世界自然遺産登録を迎えるなかでは、大きな特使になることを期待する」とあいさつ。
同村出身の浜崎社長は「土地を購入した当初からの20年越しの構想。温泉を目玉として、最終的には奄美の自然の素晴らしさを多くの人に発信するべく準備を進めたい」と意気込みを語った。