ゼロカーボンシティ実現へ

ゼロカーボンシティについて説明する今井力夫町長(左端)=知名町、あしびの郷・ちな=

まちづくり住民説明会 新庁舎の基本設計紹介
知名町

 【沖永良部】知名町による「子や孫に誇れる住民説明会」が29日、同町あしびの郷・ちなであった。新庁舎の基本設計の紹介やゼロカーボンシティの実現に向けた今後の取り組み、水道水の硬度低減化などについて説明が行われた。

 説明会は2回に分けて実施され、合わせて150人ほどの住民が会場を訪れた。行政からは町長ら3役と各課の課長、新庁舎基本設計の担当事業者らが出席した。内容はオンラインでも配信された。

 新庁舎の基本設計について担当職員がイメージ図を使って説明。1階と2階部分の執務スペースには自然光を取り入れるためのエコボイド(中庭)を採用し、屋上には空調室外機や太陽光パネルを設置するとした。建物面積は2665平方㍍で、建設費用は約12億円。スケジュールは来年6月に工事着工、2022年9月運用開始予定。

 今井町長は、ゼロカーボンシティ(脱炭素社会)の実現に向けて、気候非常事態宣言や役場内でのプラスチック製品使用削減宣言など、これまでに行ってきた取り組みを紹介。「ごみを減らすことで、町民福祉や子育て分野に予算を回せる」と話し、老朽化が進むクリーンセンターについては「現在、和泊と知名両町で管理費を負担しているが、ごみを減らしたら、町の負担金も減らしていくという発想が必要ではないか」と述べた。自然エネルギーの活用では、フローラルパーク内に小型風力発電機を設置する計画を明かした。

 このほか、水道水の硬度低減化では、新たに発見された水源の開発状況や硬度低減化施設の建設計画を説明。子育て分野では、来年度に乳幼児の預かり施設をフローラルパーク内に設置するとした。

 質疑では「障がいを持った人のことを考えた庁舎にしてほしい」「水の硬度が低くなったら、水道料金が高くなるのか」「新庁舎の工事期間中、あしびの郷・ちなは利用できるのか」などの質問が出た。