羽寄せ合い冬越し

リュウキュウアサギマダラの冬越し。奄美の冬の風物詩となっている

18日朝名瀬 最低気温10・4度まで下がる
リュウキュウアサギマダラ

 奄美市名瀬の最低気温が10・4度まで下がった18日朝、奄美大島北部の森でリュウキュウアサギマダラが羽を寄せ合い寒さをしのぐ冬越しの様子が見られた。毎年観察し記録している住民によると、個体数は昨年並みという。

 12月に入り曇天続きで日差しを感じることが少ないためか、このところ奄美地方も肌寒い。同日の名瀬の最低気温は今季最低で「最も寒い時期を下回る」(気象庁)となり、前日より1・7度下がった。

 ブルーと茶色のまだら模様が美しいリュウキュウアサギマダラが枯れ枝につかまり羽を寄せ、越冬する幻想的な光景が見られるのも気温が低下する時期。観察地では11月末からパラパラと集まり始め、12月初旬から数が増えるようになった。

 集落近くにある小高い森林内。樹木が覆いかぶさっているため薄暗く、北からの季節風が吹きつける時でも風が通り抜けることはない。そんな環境が保たれることで、現在は貴重な観察スポットとなっている。住民は「多くの人が訪れてしまうと、チョウたちは拡散してしまう。数人でそっと見守る観察の基本ルールを守りたい。それによって毎年、神秘的でさえもある光景を見ることができる」と語った。

 リュウキュウアサギマダラは羽を広げた時の大きさは7㌢ほど。東南アジアに分布するが、生息域で奄美大島が北限とされている。