新年に「オオハクチョウ」成鳥飛来

奄美市住用町のマングローブパークに飛来した2羽のオオハクチョウ(浜田太さん撮影・提供)

 

年末年始の寒波影響か
マングローブパークで優雅に羽休める

 

 奄美大島への飛来は珍しいとされるオオハクチョウ(カモ科カモ目)を2日、奄美市住用町のマングローブパークで写真家の浜田太さんが撮影した。同日の昼ごろ、マングローブ下流で別件の動画撮影をしていた浜田さんの視界にオオハクチョウが2羽飛来。1時間ほど羽を休め、カヌーに乗った観光客が近づくと太平洋側へ飛び立っていったという。

 浜田さんは「3日の朝にも同個体と思われるオオハクチョウを確認した。距離があったものの、優雅な姿を収めることができた」と喜んだ。

 日本野鳥の会ホームページによると、オオハクチョウは主に北海道と東北の広い湖沼や河川、海岸などに飛来。春・秋は北海道の中央から東部を通過するものが多いという。鳴き声は「コォー」と甲高く伸ばす大声で、よく鳴き声を交わす。全長は成鳥で140㌢ほど。

 繁殖は主にシベリアで行い、氷点下に達しエサになる水草類が凍り付く9月ごろから温暖な地域で越冬する。

 奄美では2015年に喜界島で若鳥、16年に奄美市で幼鳥が確認されている。

 奄美野鳥の会の鳥飼久裕会長は「同野鳥の会の把握では、奄美大島での成鳥の確認は初めて。年末年始に東日本を中心に広範囲に拡大した寒波が影響している可能性があるのでは」と推測している。