オンライン授業で科学実験教室

二重の風船ができた田中さんに教員も思わず拍手

スライム風船づくりに興奮
瀬戸内町・嘉鉄小

 瀬戸内町立嘉鉄小学校(中島朋子校長)は9日、「島を担う子どものための科学実験教室」をオンライン授業で行い、全児童8人が参加した。講師は近畿大学理工学総合研究所の新井毅人准教授が務め、ポリビニールアルコールを使っていろいろなスライムづくりを楽しみ、スライム風船ができた時には歓声があがっていた。

 同教室は、特徴ある科学現象について五感を使って実体験することにより、なぜ?どうして?との知的好奇心が芽生え、身の回りの様々な自然現象を先人がひも解いてきた原理から応用まで体得できること。

 それによって「知る喜び」「学ぶ楽しさ」「わくわくする好奇心」に支えられる人間の能力を高める最大の原動力となるもので、主催は特定非営利活動法人なにわ工房、独立行政法人国立青少年教育助成活動の一環で、「体験の風をおこそう」とサブタイトルも。これまでに10万人以上が楽しんだ体験科学実験を自宅実験募集するのに先駆けて同小でオンラインで行ったもの。

 児童たちには、すでに実験キットが用意され、まず、スライムの材料となるポリビニールアルコールの説明を受けた。桜田一郎教授によって合成され、㈱クラレが1958年に世界初の事業化、いろいろなところに利用されており、「同じ材料か全く異なる機能を持つモノつくりを生む理科の本質」だと伝えられた。

 続いてスライムつくりに挑戦。①透明なスライム②様々な色のスライム③忍者スライム④スライム風船に挑み、PVA溶液や硼砂水溶液をカップに入れたり、スポイトで硼砂水溶液を入れてかき混ぜ、食紅を加えて色を混ぜ、できたスライムを丸くしたり、押したり伸ばしたりして形を整えていた。

 難しかったのは風船スライムのようで、ストローをゆっくり吹くのに悪戦苦闘。それでも二重の風船ができたり、大きな風船ができたりすると教員たちも拍手。3年生の長辰穂君は、色スライムを手に「怪物の血みたい」。二重の風船スライムができた2年生の田中玲那さんは「いつもできないことだけど、楽しかった」と笑顔で話した。「みんな小学生ですが、まるで2・3歳児のように楽しんでいました」と中島校長が伝え、全員で画面に向かって拍手と手を振って実験を終えた。