差別解消へ効果的取組検討

協議会でグループごとに意見交換を行う参加者

支援地域協 事例報告や意見交換

 行政や当事者団体、民間事業者で取り組む「奄美地区障害者差別解消支援地域協議会」が25日、奄美市役所5階会議室であった。障がい者への不当な差別をなくし、配慮あるサービスを推進することが目的。各事業所の取り組みの進ちょく状況や、直近に寄せられた相談の紹介、グループ別の意見交換があり、関係機関の連携を強化しつつ、差別解消へ向けた効果的な取り組みを検討した。

 国は共生社会を目指し、2016年に障害者差別解消法を施行。同協議会は17年に発足し、年に2回会合を実施している。

 今回は奄美地区の5市町村の担当者や当事者団体、民間事業者約30人が参加し、バリアフリー法改正や、ユニバーサルツーリズム、思いやり拡充プロジェクト(ブルーカラー化推進)などについての取り組みや進ちょく状況を報告。

 ユニバーサルツーリズムとは、高齢や障がいの有無に関わらず参加できる旅行のこと。同日は市紬観光課の職員が、県大島支庁総務企画課が進める「20年度奄美群島ユニバーサルツーリズム推進事業」▽関係者による検討会の実施▽モデルコースの調査・検証(今月18日・25日)▽それらを踏まえた受け入れ態勢構築の課題や要点の共有ーの取り組みを紹介した。

 思いやり拡充プロジェクトでは、各施設の駐車場ブルーカラー化の進ちょく状況を共有。今年度は大島支庁の駐車場や福祉施設2件に実施。また、実施が困難な施設には「思いやり駐車場」という表示看板の設置を促した。

 また、龍郷町は障がい者週間に合わせ、窓口対応をする職員や災害時に対応をする職員を対象に「心のバリアフリー」のテーマで研修を行ったという。

 意見交換では、直近に寄せられた差別事例として、「視覚障がいのため、町内会の各種行事に参加困難であることを理解してもらえない」ケースの一方で、合理的な配慮がなされた事例(共に県内)など数件を発表した。

 事務局の奄美地区障がい者等基幹相談支援センター(ぴあリンク奄美)の大津敬センター長は「コロナ禍でマスクをすることにより、聴覚障がい者が口の動きを読み取れずに、日常生活に支障をきたしていることや、感覚過敏でマスクを着けられない人がいることが周知され、その状況を想像できる人が増えたら」と述べた。

 また、福祉と教育は切り離せないものとして、同協議会へ各市町村の教育委員会の参加を要望する声もあがった。