糸結びや縫合、外科腕前競う

研修医16人が出場し糸結びと真皮縫合の2種目で競った結紮王コンテスト

県立大島病院でコンテスト
研修医16人が出場 合計点で勝者

 外科手術の基本となる手技を競う「結紮=けっさつ=王 糸結び・真皮縫合コンテスト」が3日、奄美市名瀬の県立大島病院で開かれた。同院の研修医16人が出場し、各科の医師や看護師が見守る中、これまで積み重ねてきた腕前を競い合った。

 コンテストは同院主催で、外科手術の技術向上を目的に今年で2回目。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止していた。

 競技は、腹膜縫合を想定して縫合用の糸を結び、どれだけの力で引っ張ると切れるかを測定する「糸結び」と、皮膚モデルの豚皮を縫合し、姿勢の良さや安全かどうか、縫い目が美しいかなどを審査する「真皮縫合」の2種目。医師と看護師の10人が審査し、合計点で勝者を決めた。

 研修医らは、合図とともにまずは糸結びで施術を開始。真皮縫合では、針を持つための持針器などを器用に操作しながら、豚皮を切開した10㌢の創を制限時間の15分内に縫い合わせるなど、細かな作業に目を凝らし互いに手に汗握った。

 総合点で感染症科の飯沼貴大さん(茨城県出身、研修医1年目)が優勝。「1点差でぎりぎり。練習では失敗が続いたけどそれが生かせた。(残り一年の研修に)フォー・アザーズの精神で頑張りたい」と喜んだ。

 コンテストを終え石神純也院長は「盛り上がった。意識の高い人が多く、見ていて頼もしい」と評価。「(今後は)課程を終えて教える側に回る人も多い。これからもスキルを磨きながら頑張ってほしい」とエールを送った。