東日本大震災を教訓に

津波を想定して避難する生徒ら=知名町=

「津波が来たら逃げろ」
知名中 抜き打ちで避難訓練

 【沖永良部】10年前の3月11日に発生した東日本大震災を教訓とするため、知名町立知名中学校(神田良文校長)で11日、事前に訓練日時を伝えない抜き打ちの避難訓練が行われた。全校生徒108人が参加。津波の発生を想定し、高台を目指して避難した。

 地震や津波が発生した場合に、主体的に判断し行動する力を身につけてもらおうと実施した。

 午後4時20分ごろ、校内放送で地震発生を報告。各教室にいた生徒らは、素早く机の下に隠れて安全を確保した。続けて津波が発生したとの連絡が入ると、教員らが「急いで避難しろ」と指示し、学校(海抜33・4㍍)より高い場所にある老人福祉センターを目指して全員が坂道を駆け上った。

 訓練後、神田校長は「震災で多くの人が亡くなり、未だに行方がわからない人がいる。その中には小学生や中学生もいる。地震が起きたら、目の前の海から津波が必ず来ると考えて、とにかく高い場所へ逃げてほしい」と呼びかけた。

 1年の上田優希さん(12)は「突然の訓練で驚いた。冷静に行動できたと思う。震災のことを身近に感じていない部分もあったが、話を聞いて大変な状況だったと改めて実感した」と話した。