群島最古の風葬墓と判明

人骨片が見つかった場所を指す今井力夫町長=知名町大津勘=

人骨片とカムィヤキの年代一致 知名町

 【沖永良部】知名町大津勘で昨年6月に見つかった風葬墓「サクダマタ古墓群7号墓」から出土した人骨片が、11~12世紀のものとわかった。同町が29日、発表した。風葬墓からは、中世に作られたカムィヤキの陶片も見つかっており、カムィヤキと人骨が同じ時期のものであることから、奄美群島最古の風葬墓だと裏付けられた。

 風葬墓は昨年6月、大津勘橋の改修工事に伴い、周辺の古墓調査を実施した際に発見された。昨年11月の試掘調査で人骨片とともにカムィヤキの小壺の破片が見つかった。

 奄美群島において、石灰岩の岩陰を利用した風葬墓からカムィヤキが見つかったのは初めての事例で、中世の時期から風葬墓として使用されていたのかを知るために、人骨片の年代測定を行った。

 風葬墓で見つかった30点以上の人骨片や歯のうち、3点を放射性炭素年代測定した結果、未成人の骨1点が11~12世紀のものと判明した。ほかの2点は縄文時代晩期のものとわかった。

 この日、現地で会見した今井力夫町長は「地元の子ども達にとって非常に興味が沸く話題になるだろう。今後の調査に期待したい」と話した。

 町生涯学習課文化財担当の宮城幸也さんは「琉球列島に存在する風葬墓がいつから造られたのかは定かではなく、墓の変遷を調べる上で貴重な遺跡となる」と語った。

 カムィヤキは11~14世紀にかけて徳之島で生産された陶器。風葬墓で見つかった壺の破片には波状の模様があり、11~12世紀のものと考えられる。