サンガツサンチ 各地で海開き

奄美市笠利町の用安海岸では家族連れらが訪れ、わが子の足を海水に浸して無病息災を願った


マリンアトラクションでは観光客らが海に飛び込み歓声を上げた

海に歓声、奄美の夏到来
安全や無病息災願う

 旧暦の3月3日(サンガツサンチ)にあたる14日、島内各地で海開きがあり、奄美の夏、海水浴シーズンの到来を告げた。新型コロナウイルス感染防止のため浜下れなどは中止し、今年も神事で海開きを宣言。浜辺では歓声を上げマリンアクティビティを楽しむ観光客や、初節句を迎えたわが子の足を海水に浸して無病息災を願う親子の姿も見られた。

 天候にも恵まれたこの日、奄美市笠利町の用安海岸では、奄美リゾート「ばしゃ山村」(奥篤次社長)が神事を執り行った。昨年に続いて時間短縮、規模縮小で開催。行政や観光関係者など約20人が参列し、海の安全を祈願した。

 浜辺では、赤ん坊の足を海水につける家族連れの姿も大勢見られた。生後5カ月の長女・友理ちゃんを抱いた同市名瀬在住の小徳由梨絵さん(29)は「友達を大切に、人の痛みのわかる優しい子に育ってほしい」と願った。

 海上では、観光客らがマリンヴィレッジ奄美(長誠和代表)主催のマリンアトラクションで海に飛び込んだ。水圧で空を飛ぶ「フライボード」などアクティビティが披露され、海には大きな声が響いた。

 参列した奄美大島観光協会・越間得晴会長は「これを機にいい(観光)シーズンを迎えたい」。奥社長は「子どもたちの歓声がないのは寂しいが、行事は母なる海への原点。コロナ収束を願い、新たな出発として前を向きたい」と話した。

 このほか、奄美市の大浜海浜公園でも海開きを実施。浜下れは中止、安全祈願祭のみ執り行った。