宇検村名柄小中 協力隊マットさん招き「人権教室」

マットさん(右)の話を真剣な表情で聞く生徒ら

差別意識「知らない」から、まずは質問してみよう

 宇検村の名柄小中学校(迫田尚久校長、全校児童生徒10人)で18日、人権教室があった。同村地域おこし協力隊のマシュー・サイモン・プライド=愛称マット=さん(46)を招き、マットさんの出身地オーストラリアと宇検村の違いを学びながら、人権について理解を深めた。子どもの頃に多民族の中で育った経験もあるというマットさんは「差別意識は『知らない』から始まる。興味を示して質問し、相手のことが分かることで、こわさはなくなる」と独自の視点で人権を紐解いた。

 同校は毎年この時期に人権教室を開いており、例年人権擁護委員を講師として招く。今年は、昨年末にマットさんが同村協力隊に着任し、壁を感じさせない人柄で地域に馴染んでいることから、人権学習のヒントになればと同校の山住淳教諭が提案した。

 中学生に向けての講話では、電子画面を用いてオーストラリアの地理や文化を紹介。なかでも、1月26日の「オーストラリアの日」に開催される「ゴキブリレース」を紹介すると、文化の違いに驚く声が。一方でマットさんは、奄美大島では日常の「ハブ取り」を示し、「お互いに第一印象は理解しがたいものでも、その歴史や目的を知ることで理解できるようになる」と説明した。

 授業を受けた黒川滉心さん(中3)は「質問をたくさんすることを、これから意識していきたい。人権について分かりやすく聞くことができた」と感想。吉澤康太さん(中2)は「一人ひとりが違って、それが面白いと考えられたらいいと思う。初対面の人に話しかけるのが苦手なので、集落の人に声をかけることから始めたい」と意欲を示した。