探求活動へ地域課題探る

「聞き書き・文化」の教室では市教育委の喜友名さん(右)が講師を務め、奄美の島口を解説した

4テーマ、役場職員ら講師
北高2年生 再度講話後、フィールドワークへ

 大島北高校(下高原涼子校長)の2年生42人は26日、地域を知り学ぶ「総合的な探求の時間(アマンDay)」を同校で開いた。奄美市名瀬総合支所、笠利総合支所など役場職員らが講師を担当。生徒らは四つの教室にわかれ、これから取り組むべき地域の課題に向き合い、掘り下げるべきテーマを探った。

 授業は、生徒自らで探究課題を取り上げ、活動・解決することで主体的な学習能力を身につけようというもの。1年生が学び、2年生が探求活動、3年生が発表など、段階的に取り組んでいく。

 探究活動は、「農業・食」「伝統・大島紬」「自然・環境」「聞き書き・文化」の4テーマ。生徒は興味のあるテーマの教室に出向いて、テーマを見つけようと役場職員の話に耳を傾けた。

 「聞き書き・文化」の教室では、市教育委員会事務局文化財課の喜友名正弥さんが講師を担当。「奄美のシマグチ」と題して講話や意見交換を行った。

 喜友名さんは、方言には「本土方言」と「琉球方言」の二つがあり、奄美群島が属する琉球方言は、「飲む→ぬむ」のように母音が「あ・い・う・い・う」となることなどの特長を紹介。現在奄美では、標準語が掛け合わさったトン普通語と呼ばれる方言が話されており、「お年寄りが話す本当の島口を聞き取れる人も少なくなってきた」など説明した。

 意見交換では、生徒たちも「分かりやすく学ぶには?」「みんなが興味を持つ方法は?」など積極的に質問。喜友名さんは「方言かるたのような遊びから入ってはどうか」「本土との違いを意識しながら話すことが大事」などアドバイスした。

 2年の植田瑠夏さんは島口を調べ、どのように継承していくかをテーマに据える予定。「方言の歴史も知ることができた。島口を残していくための活動に取り入れていきたい」と話した。

 今後は6月16日に再度講話を行い、フィールドワークに入る。