奄美大島新型コロナ対策本部

警戒レベルや感染対策などについて協議した奄美市の新型コロナ対策本部(奄美市提供)

 

「レベル4」に引下げ検討
30日に最終判断「島内への感染広がり抑えられている」

 

 奄美大島の5市町村長で組織する奄美大島新型コロナ対策本部(本部長・朝山毅奄美市長)は、最大級の警戒を示す「レベル5」となっている島内の新型コロナ警戒レベルについて、感染の広がりが抑えられていることなどから、「レベル4」に引き下げを検討していることが28日、分かった。奄美市の担当者は「週末の感染状況を見て判断することになる」としており、30日に最終判断する見通しを示した。

 同市は同日、新型コロナの対策本部会議(本部長・朝山市長)を開き、市内の感染状況や、警戒レベル引き下げの判断などについて協議。引き下げについては、①同市で発生したクラスター(感染者集団)の状況②島内での感染の広がり③医療体制の状況―の三つの視点から可能性を話し合った。

 ①クラスターについては、今月13日以降、約2週間、確認されていないことから影響は極小化されたと判断。②島内での感染の広がりについては、奄美市と龍郷町で散発的な感染が確認されているものの、大和村、宇検村、瀬戸内町で感染がない状況が続いていることから、島内全域への広がりはないと判断した。③医療機関や宿泊療養施設の受入れ態勢も十分に確保されているという。

 こうした状況から5市町村の担当者間で、警戒レベルの引き下げについて協議。今回重視した三点に大きな変化がない場合は、レベルを4に引き下げる予定で、週末の感染状況を踏まえ、30日午後にも最終判断する。

 一方で、県内でも広がりを見せている変異株について、感染力が強く、重症化リスクも高いことなどから、同市では「レベルが引き下げられても気を緩めることはできない」とし、マスク着用や手指の消毒、換気の徹底など、感染防止対策のさらなる徹底と強化を求めている。

 また、市内で散発的に感染者が発生していることなどから、同市の担当者は「感染が疑われたら、人との接触を避け、できるだけ早くかかりつけ医など医療機関に相談してほしい。感染の早期発見が、職場や学校、地域を守ることになる」と呼び掛けている。

 同市ではこのほか、30日までの閉館が決まっている市内の公共施設についても同日、31日以降の対応を判断することにしている。