奄美で日米共同訓練

7月1~5日 地対空ミサイル展開 新型コロナ感染対策も

 防衛省陸上幕僚監部は10日、今月18日から7月11日にかけて国内各地で米陸軍との合同実動訓練「オリエント・シールド21」を実施すると発表した。県内では奄美大島で米陸軍のミサイル部隊が参加した訓練が行われる。国内で行われる陸自と米陸軍の実動訓練としては最大規模で、奄美でミサイル部隊の共同訓練が行われるのは初めて。東シナ海での活動を活発化させる中国を念頭に、日米の連携強化を図る。

 防衛省や奄美市によると、奄美での訓練は、7月1日~5日に奄美市名瀬の奄美駐屯地内で行われ、陸自中部方面隊第8高射特科群(兵庫県)と嘉手納基地(沖縄県)所属の米陸軍の迎撃ミサイル部隊からそれぞれ約40人が参加。米陸軍の地対空誘導弾(パトリオット)と陸自の中距離地対空誘導弾(中SAM)を展開、空からの攻撃を想定した訓練を行う。実弾の発射は行わない。

 新型コロナウイルスの感染対策として、米軍側はワクチン接種し、PCR検査で陰性が確認された隊員のみが参加。陸自もPCR検査で陰性を確認した隊員が参加する。

 訓練期間中は原則外出禁止。食事や宿泊は駐屯地内で行う。新型コロナの陽性者や濃厚接触者が出た場合は、駐屯地内で隔離措置を行う。搬送が必要な場合は、島内医療機関を利用せず、沖縄県の米軍医療施設や自衛隊熊本病院に収容する。

 奄美での合同訓練の意義について、陸幕は「日米高射部隊の島しょ部における訓練の効果および訓練環境等を総合的に検討し日米間で調整した結果」としている。

 共同訓練には陸自と米陸軍あわせ約3000人が参加、国内各地の自衛隊駐屯地などで行う。奄美以外では、兵庫県の伊丹駐屯地、三重県の明野駐屯地、京都府の経ヶ岬分屯基地などが選定されている。