右から「やけうち水産」の盛宮代表(平田)、前田さん(平田)、森山利夫さん(阿室)
地元有志ら団体立ち上げ
今年14トンの収穫成功
宇検村平田=へだ=で、約20年ぶりにモズクの養殖が復活した。奄美市笠利町の業者の指導を受けながら、今年は約14トンの収穫に成功。村内商業施設での販売をはじめ、山口県の水産業者を通じて宇検ブランドのモズクが全国に流通する。
モズク養殖業者「やけうち水産」(盛宮信治代表)は、平田・阿室・須古の有志ら8人が地域活性のために立ち上げた団体。2020年3月に約6万5千平方ヘクタールの漁業権を取得し、村内5カ所で養殖を行っている。
5月後半に収穫された生モズクは、平田漁港での浜売りを実施。村内学校給食用に約20キロの寄付も行ったという。現在は生・塩モズクを「うけん市場」(湯湾)や、個人の要望に合わせて販売しており、本土へは近く出荷予定だ。
宇検村漁協によると、同村には00年ごろにモズク生産組合があり、撤退後は長期間手つかずのままだったという。盛宮代表(72)は「昨年はほとんど収穫できなかったが、今年は指導のおかげもあり、好調。村内で経済を回し、雇用を生み出すことが活性につながる」と話す。今年は収穫時に約100人のアルバイトを雇ったという。
メンバーの1人で、漁協の代表理事組合長を務める前田尚登さん(65)は「地域の人にも喜ばれている。宇検村では生のモズクを食べる機会が少ないため、特に子どもたちに味を知ってほしい。来年以降、徐々に収穫量を増やしていけたら」と展望を語った。