本場奄美大島紬協同組合で実際の工程を見たり、話しを聞いたりした慶大SFCの学生たち
慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市)の総合政策学部、環境情報学部の学生4人が15日から奄美大島を訪れ、奄美が誇る伝統工芸品「本場奄美大島紬」を対象に調査を始めた。情報を学ぶ専門性を生かし、大島紬の実態調査や再発見を進めて若者世代へ大島紬の魅力を発信する。学生らは「調査は次世代に残すことが狙い。奄美が誇る工芸品を日本の若い世代にも伝えていきたい」と意気込んだ。
取り組むのは、大島北校卒業生の成瀬茉倫さん(2年)と、髙杉真由香さん(3年、)小森健登さん(3年)、岩月柊さん(1年)の4人。南雲朋美教授の講義「パブリックリレーションズ(PR)戦略」の一環で、定めるターゲット層への的確な情報伝達を目的に、フィールドワークなどを通して地域が抱える課題解決にあたっていく。
4人は、コロナ禍で廃れる日本文化の価値を再確認しようと「大島紬」に着目。若者に関心の高いSNSで拡散していくことを想定し、奄美大島での調査に乗り出した。
15日は奄美市紬観光課、16日は、奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合、龍郷町の㈲金井工芸、前田紬工芸を訪れ、実際の機織りや染め、仕事ぶりを取材。製造工程を調べ、動画を撮影するなど、発信のための素材を掘り起こした。
取材を終え小森さんは「同世代はどうしても伝統や文化に壁がある。アカデミックになり過ぎないことが大事」。成瀬さんは「伝統を包括的にかみ砕きながら、少しでも若い世代が身近に感じるよう発信していきたい」と話した。
なお、4人は魅力発信の窓口「meetmyamami」をTikTokとインスタグラムで開設。完成次第、順次発信していく。