北部地区子ども支援net

「北部地区子ども支援net」に参加し活発に意見交換をする人々=龍郷町りゅうがく館=

課題など意見交換 自立支援協
「支援者同士の連携大切」

 奄美地区自立支援協議会は18日、龍郷町りゅうがく館で「北部地区子ども支援net」を開催した。障がいのある子どもたちの支援に携わる児童関係事業所・保育・学童・教育・医療・行政など関係者が一堂に会し、交流を深め、顔の見えるネットワークづくりを行うことが目的。各方面から40人の専門家が集まり、発達に遅れが見られるなど支援が必要な子ども達やその保護者に対する接し方、現状の課題などについて意見交換をした。

 同協議会は06年に施行された障害者総合支援法に基づき、自治体が実施する地域生活支援事業のひとつ。奄美地区に同協議会が設立されたのは10年。以来、奄美大島5市町村における障がい福祉関係者による連携や支援の体制、課題や新たな支援方法などについて協議を進めてきた。

 同協議会は年に3回、奄美大島を北部・中部・南部に分け、定期的に「子ども支援net」を実施。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で南部のみの開催となった。

 龍郷町子ども子育て応援課の加藤寛之課長はあいさつで「障がいを持つ子どもたちにとって重要なことのひとつは、周囲の支援者との関わり。支援者同士顔を合わせることで、情報共有や連携が密にできる関係づくりに役立ててほしい」と趣旨を説明。

 鹿児島大学大学院臨床心理学研究科の高橋佳代准教授が「発達支援について」というテーマでWeb会議システムZoomを用いて講演。「支援者が機嫌よくいることが何より大事」と強調した。

 意見交換会では参加者40人が8グループに分かれて現状の課題や多職種連携の在り方などについて協議。「保護者の二極化が進んでいる。支援を拒む保護者もいれば、どんどん受けたい、という保護者もいる。保護者との連携を効果的に図ることが大切」「一人の子どもに対して、関わる支援者が同じ方向、同じ視点で向かっていくことが必要。連絡帳を作成してはどうか」など活発な議論がなされた。

 同協議会事務局の相談支援専門員・福﨑伸悟さん(47)は「障がいのある子どもを支えるには、周囲の協力が大事。いろんなところで連携を取って支えてもらえたら」と語った。