「宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」の第1回講座の様子
アマミノクロウサギなどの剥製に触れる受講生ら
2021年度「宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」(村教育委員会主催)が27日、村生涯学習センター「元気の出る館」大ホールで開講した。第1回講座は「世界自然遺産登録で何が変わるの?~アマミノクロウサギの視点から、人間の視点から~」をテーマに開かれ、環境省自然保護官補佐の松岡美範さんが講師を務めた。受講生らは奄美大島の自然の素晴らしさ、高い価値などについて学んだほか、現在、抱えている環境問題等についても学んだ。
今年5月10日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関であるIUCN(国際自然保護連合)は、今年夏の世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」について評価結果を「登録」と勧告した。正式には7月の世界遺産委員会の審査を待つ状況となっている。
講座は「次世代の宇検村や奄美、ひいては日本、世界の持続可能な社会の創り手を育成するための環境プログラム。また、子どもと共に、現代を担う保護者、教員、一般の方々も学び、考え、行動し、表現、発信する契機となることを目的とする」としている。講座は村への「ふるさと納税寄付金」を使って開かれる。
「奄美の自然や生き物、文化を楽しく学ぼう!『奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島』の世界自然遺産登録を楽しく学ぼう!!」をテーマにした講座は、来年2月19日までに計9回の講座開催を計画。
第1回講座には、小学生と中学生計20人、保護者ら21人の合計41人が参加した。
最初に阿室小中学校の岩切敏彦教諭が奄美大島の自然や生きものの素晴らしさについて解説したほか、ネイチャーゲームで受講生らを楽しませた。
講師を務めた松岡さんは▽奄美群島国立公園の誕生▽世界自然遺産とは?▽世界自然遺産登録の条件▽奄美大島の生きもの―などについて詳細に説明し、「奄美大島は日本全体の0・19%の面積。そこにたくさんの種類の生きものが暮らしている」などと話した。
現在の問題は①野生生物の交通事故②外来種問題③希少な動植物が盗まれている④観光客の増加による自然破壊―などを挙げた。
最後に受講生らは、アマミノクロウサギなどの剥製に触れた。