大島紬技術専門学院入校式

大島紬姿で入校証を手にする重井さん、直田さん、須賀さん(左から)

女性3人、織り技術学ぶ
伝統の担い手目指す

 大島紬の織り技術者を育成する本場奄美大島紬技術専門学院(校長・牧雅彦本場奄美大島紬協同組合理事長)の2021年度入校式が7日、奄美市名瀬の市産業支援センターであった。奄美市在住の女性3人が入校。約2年間、機織りの技術を学び、技術者の高齢化が進む大島紬の新たな伝統の担い手を目指す。

 学院は、大島紬反物を作る工程の機織り後継者の育成を目的に1980年に開校。栄夏代指導員のもと、2年かけて大島紬の精巧な織り技術を学ぶ。これまでに約450人が修了、高齢化が進む織り技術者の後継者育成の重要な役割を担っている。

 今年度入校したのは、直田みどりさん(58)=奄美市名瀬有屋町=、重井香織さん(37)=同市名瀬長浜町=、須賀るみさん(54)=同市名瀬小俣町=。3人は大島紬を身にまとい、牧校長から入校証を受け取り、大島紬の産地の将来を担う技術者となること決意を新たにした。

 入校式には、県大島支庁の印南百合子支庁長、龍郷町の竹田泰典町長、奄美市の東美佐夫副市長、㈱やまとの矢嶋孝行社長も出席。牧校長は「大島紬は奄美が世界に誇る伝統産業だが、技術者の高齢化が課題となっている。切磋琢磨し一歩一歩技術を身につけ、立派な技術者になってもらいたい」とエールを送った。

 志布志市出身の直田さんは、「伝統ある大島紬の仕事ができるのはとてもうれしい。在宅でできるのも魅力。学院でしっかり技術を身につけたい」と話し、重井さんも「ずっと興味があった。家族の応援もあり、入校を決意した。技術を習得できるよう頑張りたい」と話し、須賀さんも「祖母のように紬を織ってみたいと思った。不安もあるが、一つずつしっかり技術を学んでいきたい」と抱負を語った。