海の事故ゼロへ啓発

大浜海浜公園で啓発チラシを配る一日保安官の山下さん(中央)ら

奄美海保 山下さんが一日保安官
大浜で海難防止呼び掛け

 海上保安庁が主催する「海の事故ゼロキャンペーン」が16日、全国一斉に始まった。奄美海上保安部では、里見海運産業㈱(本社・奄美市名瀬塩浜)佐大熊営業所の山下江利架さんを一日保安官に任命。奄美市名瀬の大浜海浜公園で啓発チラシを配るなど街頭キャンペーンを展開し、訪れた海水浴客らに海難防止を呼び掛けた。31日まで。

 スローガンは「海難ゼロへの願い」。重点項目に、(1)小型船舶の海難防止(2)見張りの徹底および船舶間コミュニケーションの促進(3)ライフジャケットの常時着用など自己救命策の確保(4)輻輳=ふくそう=海域などの安全性の確保―を掲げた。

 一日保安官の山下さんは、同所の営業部貨物営業課に所属する係長で、フェリーとしまなどの旅客船で荷役を担当。同部の矢野秀樹部長から委嘱状を受け取り、「海の事故が少しでもなくなるよう努めたい」と抱負を語った。

 大浜海浜公園では奄美署の警察官も合流し、ライフジャケット着用や事故防止を伝える啓発チラシを配布。海水浴客に「安全に海を楽しんで」と声を掛けるなど、注意を促した。

 矢野部長は山下さんの協力に感謝し、「海のレジャーシーズンが本格化し、奄美の世界自然遺産登録後は観光客も増えることが想定される。海の事故ゼロを目指して安全指導に努めたい」と話した。

 期間中は、訪船指導や各所へのポスター掲示で周知を徹底。奄美署、海上安全指導員合同での海水浴場パトロールなども予定している。