笠利町外金久集落 厳島神社で六月灯

外金久集落住民が新社殿の完成を祝って八月踊りを奉納した


660発の花火も完成を祝った

新社殿の完成祝う
八月踊り奉納や花火で安寧願う

 奄美市笠利町外金久集落(235世帯、495人)の厳島神社で16日、夏の風物詩「六月灯」があった。同神社の社殿は今年2月に新たに改築。住民らは新社殿の完成を祝って八月踊りを奉納し、夜空に舞う花火を見上げて集落の安寧を願った。

 神社は1838(天保9)年に創建。1897(明治30)年に外金久集落の氏神になった。弁財天を神体に、航海や安産の神として鎮座。社殿は笠利湾を望む海抜15㍍の高台にあり、夕日の観賞スポットとしても親しまれるなど、集落には欠かせない存在になっている。

 今年2月には、建物の老朽化が進んでいたことから50~60年ぶりに社殿や鳥居を新築した。建物は木造。地域住民らが資金を集め、集落青壮年団らが自らの手で約2カ月かけて建て替えられた。

 祭りは新型コロナウイルス感染症に配慮し、夜店の出店を控えるなど規模を縮小し実施。境内や参道には地元の子ども会が描いた50個超の灯籠が飾られ、辺りを照らした。

 日も暮れはじめた午後6時、集落住民らは浴衣姿などで神社を訪れ、悪疫退散や無病息災を願った。鳥居前の広場では建て替えを祝って八月踊りを奉納。新社殿の完成を喜んだ。

 最後は、地元企業が協力する名物の花火大会でフィナーレ。赤や青、緑の色とりどりの花火660発が打ち上がると、住民らは鮮やかな光の祝福に大きな歓声を上げた。

 諏訪光三区長(69)は「外金久は昔から活力のある集落で、多くの熱意で立派な神社ができた」と喜び、「祭りは集落活性化の源。行事を通してまた団結力を高めていければ」と話した。