天城町で霧島国際音楽祭ふれあいコン

天城町制60周年記念であった第42回霧島国際音楽祭「みやまふれあいコンサートinあまぎ」=19日夜、同町防災センター

生の声楽の調べ
感動をプレゼント

 【徳之島】第42回霧島国際音楽祭「みやまふれあいコンサートinあまぎ」が19日夜、天城町制施行60周年を記念して同町防災センターであった。研ぎ澄ました女声最高域のソプラノと男声テノールの一流の声楽家、ピアノニストによるオペラ歌劇の代表曲など、迫力に富んだ演奏で町民を魅了した。

 2年ぶりに今月15日から開幕した第42回霧島国際音楽祭の中の遠征「ふれあいコンサート」。町制60周年記念イベントに誘致。コロナ禍に配慮して観客数を会場席の半分180人に制限。高校生以上の町民を対象に入場整理券(無料)希望者を募った。

 出演したのはいずれも二期会会員で、▽セント・アンドリューズ国際コンクール優勝など数々の入賞を果たしている声楽家の鷲尾麻衣さん(ソプラノ)▽第42回イタリア声楽コンコルソ・シエナ大賞や第84回日本音楽コンクール声楽部門第1位など実績を持つ城宏憲さん(テノール)▽二期会や新国立劇場のオペラ研修所講師も務めている石野真穂さん(ピアノ)。

 3人は、鷲尾さんと城さんが狭き登竜門の新国立劇場オペラ研修生当時、石野さんが講師を担当したいわば〝師弟〟関係の間柄にあった。

 コンサートは「『椿姫』より乾杯の歌」(ヴェルディ)の演奏で開演した。自然豊かでのどかな徳之島の印象や、イタリアに起こりヨーロッパで発達したオペラの歴史や楽曲の背景などトークも交え進行。「オー・ソレ・ミオ」(ディ。カプア)といった定番に日本の歌百選から「浜辺の歌」や「荒城の月」なども交え全17曲をたっぷりと披露した。

 夫や子ら家族4人で訪れた中水芳枝さん(60)=浅間=は「霧島音楽祭(みやまコンセール)では聴いたことがあるが、地元で、生の演奏が聴けるとは滅多にない。会場全体に響き渡る美しい演奏に癒された」と感動していた。