空港2階ロビーで写真展

「奄美の生きものたちを見に来て」松橋さん、木元さん

奄美の道で〝生きものみーつけた〟
松橋さん木元さん 自然な姿のカエルやヘビなど

 いきものカメラマン松橋利光さん(51)=神奈川県在住=と、奄美海洋生物研究会の調査員木元侑菜さん2人による奄美の貴重な生物が主人公の写真絵本が出版された。それを記念して、奄美各地で写真展を開催、20日からは、奄美空港の2階ロビーを会場に55点の写真をパネルで展示、松橋さんがカメラで捉えた自然な姿のカエル、ヘビ、オタマジャクシなどの写真が空港を訪れる人たちの目を楽しませている。入場無料。

 松橋さんは2015年に図鑑の撮影で初来島、林道でハブに怖がりながらカエルを撮影、その時に知り合ったのが、奄美の生物大好きな木元さん。木元さんに探しているカエルがいそうな場所などを教えてもらいながら撮影に臨み、珍しいカエルの撮影がうまくいった。奄美は沖縄よりも生きものたちに出会う頻度が高いことに気が付いた松橋さんはそれから奄美に来るのがライフワークに。年に5~6回来島、木元さんと2人で森に、生物を訪ねている。

 島にいる間は、ずっと森の中にいるという松橋さんならではの貴重なタイミングのショットばかり。アマミアオガエルをはじめ、なかなか出会えないというハロウエルアマガエル、ヒメアマガエルの産卵シーンも。珍しいショットは、偶然に出くわすことも多いという。展示のパネルの中にはロードキルにあった生きものたちの写真もある。「カエルのひかれているのを目にすることが増えました」と松橋さん。「生きものを観察しながら運転をするのは難しいです。奄美の道はゆっくり走りましょう」と、写真を通して、見る人たちに語りかける。

 展示は8月30日まで。「アクティビティーで来たとしても、帰るときにロビーでこの写真を見ることで、奄美の生きものたちにも興味を持ってくれたらうれしい。次は生きものに会いに来てくれるかもしれない。生きものに興味を持つきっかけになればいいですね。奄美は生きものが多く観察もしやすいんです」。と、松橋さんは大好きな生きもの話に目を細めた。

 写真絵本は松橋さんが写真を、木元さんが文章を担当している。ページをめくると、奄美の生き物たちがいまにも元気に動き出しそう。この本を手に取れば、奄美の生き物たちに一歩近づけるかもしれない。空港売店、市内の書店などでも買うことができる。