「当部で遊ぼう」

「当部で遊ぼう」交流で、昔の遊び道具づくりの体験も=24日、天城町当部公民館

天城町 昔の玩具作りで交流
親子連れなど約60人

 【徳之島】天城町教育文化の町・南部地区推進協議会(院田吉雄会長)と兼久小校区子ども育成会などの「当部(とうべ)で遊ぼう」交流会が24日、当部集落公民館であった。デジタル・バーチャルゲーム世代の子や保護者など関係者約60人が参加。自然素材を使った昔の玩具作りやゲームで交流した。

 生物多様性を育む徳之島のほぼ中央部の山間に位置し、居住地域内に時折、国の特別天然記念物アマミノクロウサギさえも出没する当部集落(武田久夫区長、25世帯・約50人)。その自然環境も生かした「当部で遊ぼう」交流は南部地区推進協などの夏休み第1週の恒例行事。湧水を使ったソーメン流しや自然観察会などに続き今年で4年目という。

 会場は「茶処あがりまた」前の広場を予定したが、台風6号の影響で当部公民館(元兼久小当部分校跡)に変更。1980(昭和55)年3月、70年の歴史に幕を下ろした分校跡の室内に、子どもたちの歓声が充満した。

 昔の遊び道具は青竹を使った水鉄砲や葉っぱで組んだ風車、笹舟など。その〝ふるさと先生〟役には武田区長(75)や青年団の山田裕樹さん(31)らも協力。並行して、箸(はし)で摘み移した大豆の数を競う「豆あそび」や輪投げなどゲームにも歓声が上がった。地元の女性連メンバーたちが地場産品で手作りした料理も味わいながら交流した。

 児童の1人・吉川月(らいと)君(兼久小6年生)は「昔のあそび道具づくりも、実際にやってみるとみんなで楽しめることが分かった」。武田区長は「昔は自然の素材を自分たちで工夫して作って遊んだ。生き生きと懸命に取り組んでくれた」。推進協の院田会長も「私らの幼いころの遊びを再現、分校跡もにぎやかに。じつはパソコンやスマホゲームよりも楽しかったのでは?」と目を細めていた。