屋久島―奄美 チャーター便就航計画も

世界自然遺産を祝い、連携強化などで意見交換した朝山市長と本田執行役員、久見木支店長

JAL役員ら奄美市表敬
世界自然遺産のPRで連携 「県内に二つ大きな魅力」

 日本航空(JAL)の本田俊介・執行役員地域事業本部長(56)と久見木大介・鹿児島支店長(50)が28日、奄美市役所を表敬訪問、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を祝うとともに、奄美群島の観光振興や環境保護に向けた連携強化などについて、朝山毅市長らと懇談した。本田執行役員は、今後、遺産登録を記念したデザインの特別塗装機の就航や世界自然遺産登録ポータルサイトの開設、屋久島―奄美大島間のチャーター便運航などを計画していることを報告した。

 特別塗装機は、世界自然遺産となった奄美の自然保全への願いなどを込めたデザインとなる見込みで、現在準備を進めており、今後、JALグループの国内線に就航する。また、機内誌9月号で特集記事を掲載するなどPRする。

 世界遺産登録ポータルサイトは、登録地域の魅力を発信するとともに、環境保全や希少種の保護といった地域課題解決に向けた取り組みなども紹介する。

 屋久島―奄美のチャーター便は、1993年に国内初の世界自然遺産となった屋久島と奄美大島を結び、2地域を巡る旅を商品化するもの。すでに旅行会社などと連携、県民向けのツアーを企画、参加者募集も始めた。久見木支店長は「県内に二つの世界自然遺産があることは大きな魅力。両島が直接つながることで、新たな魅力が生まれる」などと指摘した。

 このほかにも、テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用したオンライン観光と特産品を自宅で楽しめる「オンライントリップ」の展開や、売り上げの一部が世界自然遺産基金に寄付される旅行商品の販売、機内や空港での奄美グッズの販売などを通したPRなどを展開していく方針が示された。

 朝山市長は「奄美を広くPRしていただくための新たな取り組みを行っていただけることに感謝したい。これからも官民が連携し、世界自然遺産の保全と活用を図りながら、地域の活性化につなげていきたい」とあいさつ。

 本田執行役員は「世界自然遺産登録が実現したことは大変喜ばしい。奄美の発展に協力するとともに、誘客する側として、オーバーツーリズムへの対応など倫理観を持って旅行商品の開発提供などにも努めたい」と話した。