五輪レスリング「金メダル確信!」

五輪レスリング日本代表で「天城町三世」の文田健一郎選手に声援を送る関係者=1日、天城町役場

「天城町三世」文田選手にエール

 【徳之島】「金メダルを確信している」―。天城町役場では1日、東京五輪レスリング競技グレコローマン60キロ級の日本代表で「天城町三世」の文田健一郎選手(25)=ミキハウス=の試合を、町当局や親族ら関係者がテレビ中継を通じエールを送った。準決勝突破、2日の決勝進出が決まると「確信」の期待に変わった。

 文田選手(山梨県出身)は祖父の故文田景造さん(元県職員)が天城町兼久の出身。父文田敏郎さん(59)は全国高校レスリングの強豪・山梨県立韮崎(にらさき)工業高校レスリング部の監督。父敏郎監督の英才教育で育った。

 敏郎監督は2018年8月、韮崎工業高校部員ら16人を率い、鹿児島市の樟南高校レスリング部とともに天城町で合同合宿。島内の青少年らの指導交流も行うなど絆をつないでいる。

 天城町役場玄関ホールには、「祝・世界自然遺産登録!」の垂れ幕とともに「TOKYOオリンピック日本代表・文田健一郎選手(天城町三世)・目指せ金メダル!」の横断幕が。その横断幕2枚で囲ったテレビの前では、森田弘光町長や町職員、親族など約20人が、日の丸と町章の小旗を両手に試合の中継を見守った。

 森田町長は一昨年の天城町合宿にふれながら「息子さん(健一郎選手)は世界選手権でチャンピオンになり、当時から五輪候補と目され、金メダル最有力候補視されている。お父様には天城町のことを気遣っていただいており、健一郎選手が最高の結果を出し、親子で凱旋してくれるかもしれない」ともアピール。

 祖父・景造さんのいとこの文田隆三さん(76)=同町兼久=は「無観客でなければ会場で応援するはずだった。父(敏郎監督)も山梨からテレビを通じ応援中」。試合の感想に、「中国選手との2回戦は少しひやひやしたが、準決勝は快勝してくれた。銀以上は確定だが、明日(2日夕の決勝戦)は金メダルを確信している」と力を込めた。

 ちなみに天城町からは96年アトランタ五輪レスリング(グレコローマンスタイル57キロ級)で西見健吉さん(53)=自衛隊、与名間出身=が8位入賞を果たした。