第1回伊仙町編纂審議会

基本計画、事業計画などを審議した第1回伊仙町誌編纂審議会=5日、同町歴史民俗資料館(町誌編纂室)

「未来志向の新町誌を」
デジタル化・ビジュアル化も重視

 【徳之島】第1回伊仙町誌編纂(さん)審議会(会長・石上英一東京大学名誉教授、14委員)が5日、同町歴史民俗資料館(同町誌編纂室)であった。現町誌が刊行され43年、来年(2022年)は町政施行60周年を迎える同町。専門家らのほか住民への聞き取り調査や資料収集など「未来志向、住民参加型」で24年度までの編纂を目指す。

 同町は4月1日付で町誌編纂室(松岡由紀室長)を設置して準備に入った。編纂審議会は14人、計6分野の編纂委員は34人で構成。第1回編纂審議会(一部リモート参加)で大久保明町長は「(現)町誌刊行から43年を経て社会情勢も大きく変化。歴史も見直し、未来志向の町誌刊行に協力を」などと要請し、委員委嘱状を交付。当局(編纂室)の基本計画案を審議した。

 編纂事業計画「編集方針・総論」案では、数々の国指定史跡所在地および世界自然遺産登録地として、その人類史や地形、環境、景観を入れ込み、「ダイナミックにビジュアルに訴えるよう表現する」。全分野を通じて資料の調査・収集を行い「デジタルアーカイブ化して可能な限り公開する」。78年発刊の現町誌も「デジタル版などで保存・公開」しつつ〝令和版〟を発刊する―など強調。

 その上で、「本編構成」は、(1)通史編(先史時代~令和時代)(2)自然史編(「環境文化型」人と自然のかかわり)(3)民俗・地域編(伊仙の暮し・集落の姿・伊仙の人)の3部(冊子)で構成。ほか(4)デジタル版(伊仙の移ろい写真集、島口による自分史)(5)資料編―も検討する方針だ。

 地元委員からは「研究者用などのほか、中学生でも分かり親しみ学びやすい内容も必要」、「図や写真もふんだんに」、「島口伝承にも力を」など意見もあった。

 町誌編纂スケジュールは、▽21年度=旧町誌復刻など▽22年度(町制60周年)=60周年記念誌作成、デジタルチャンネル開設▽23年度=「徳之島学」刊行▽24年度=町誌本編編集、本編発刊作業(発刊は以降検討)などを見込んでいる。