田中亮明選手を島から応援

試合終了後、健裕さんが写る写真に語りかける太英昭さん=和泊町国頭=

生前の田中健裕さん(提供写真)

 

東京五輪ボクシングで銅メダル 和泊町の太さん、親友の孫たたえる

 

 【沖永良部】和泊町出身の故田中健裕さんを祖父に持つ田中亮明選手(27)が5日、東京五輪ボクシング男子フライ級準決勝に臨んだ。健裕さんと親友だった和泊町国頭在住の太英昭さん(78)がテレビで観戦。決勝には進めなかったものの「健裕、お前の孫はすごかったぞ」と健闘をたたえた。

 太さんと健裕さんは小学校時代の幼なじみ。引っ越しや就職でお互い島を離れたが、大人になってからも連絡を取り続ける仲だった。

 田中選手の弟は、プロボクシング世界3階級制覇を果たした田中恒成選手。2015年に健裕さんは他界したが、太さんは親友の孫2人を沖永良部から応援してきた。

 テレビの前に座った太さんは、健裕さんが写る写真を机に置き、妻の美智子さん(79)と一緒に試合を見守った。

 判定が出ると「負けたか」と一言。その後、写真を手に取り「よく頑張ったぞ」と笑顔で写る健裕さんに伝えた。

 太さんは「一番いい色を取ってくれると信じていたが残念。銅メダルを取れただけでもすごい」と話した。