来島者に感染対策呼び掛けるカード作成

ホテルスタッフに、来島者に配布する感染対策呼び掛けのカードを手渡す市職員(奄美市名瀬の山羊島ホテルで)

 

 

「島を守るためのお願い」
奄美大島5市町村
奄美市、ホテルやレンタカー業者に配布

 

 奄美大島の5市町村でつくる「奄美大島新型コロナウイルス感染症対策本部会議」は7日、島内で新型コロナの感染者が増加傾向にあることから、観光客など来島者に感染対策への協力を呼び掛ける名刺サイズのカードを作成した。奄美市では、市職員7人が同市と龍郷町の宿泊施設とレンタカー事業所の計33か所を巡回、「島を守るためのお願い」などと書かれたカードとポスターを事業所の担当者らに手渡し、宿泊客や利用客らへの配布を要請した。残り4市町村でも今後、宿泊施設などでの配布を行うことにしている。

 奄美市は、カード約2万枚とポスター66枚を作成、各施設にカード500枚とポスター2枚ずつ配布した。奄美市名瀬の奄美山羊島ホテルでは、市紬観光課の川畑博行課長らが、島内の感染状況などを説明し、「全国的に感染力の高いデルタ株の感染が拡大している。これまで以上に感染防止に心掛ける必要があり、来島者にも協力をお願いしたい」などと呼び掛けた。

 同ホテルの碩朋美副統括支配人は「沖縄県で感染が拡大していることもあり、予定を変更して奄美を訪れる観光客も多い。感染対策への協力を呼び掛けながら、世界自然遺産登録が決定した奄美で心身をいやしてもらえるよう対応したい」と話した。

 奄美市と龍郷町では7月末以降、感染者が増加傾向にあり、6日には同町で初めてクラスター(感染者集団)が確認された。また、同市などによると、夏休み期間に入り、奄美空港を利用した1日の来島者数は1千人を超えるなど、世界自然遺産登録が決定したことなどもあり、島外からの入込客は増加傾向にあるという。

 市健康増進課の徳永明子課長は「感染経路が不明な感染も確認されており、ウイルスが島内のどこにでもあるという思いで行動することが必要。まずは来島者に改めて感染防止への協力を求めたうえで、島民にもマスク着用など感染対策を呼び掛けていきたい」などとしている。