村政初4期目の伊集院大和村長
17日に告示された大和村長選挙は現職の伊集院幼氏(59)が3期連続の無投票で4選を果たした。村政誕生以来、初の4期目の大任が託された。始動を前に改めて意気込みを聞いた。
―当選から一夜明け今の心境は。
重責を感じている。ただ公約に取り組むだけでなく、課題を一つひとつ解決していくことで結果的に無投票につながった。コロナ禍のなか、村民の思いを聞き、私の想いを伝える機会は少なくなっているが、期待に応えるためにも、顔を合わせ話し合っていくことが重要だと改めて感じている。
―3期目を自身でどのように振り返るか。
大島郡町村会会長職に奔走していたこともあり、2年間は役場にいることも少なかったが、ある程度の責任は果たせた。これまで(振興策には)行政が取り組まなければならないという考えもあったが、我々が後ろ盾となり、民間を動きやすくすることで、小さな村でも(観光や福祉を)充実できることを改めて感じた。今後も民間企業や関係団体と連携を図りながら、支え合いの取り組みなども重点的にしていきたい。
―世界自然遺産の登録も決まった。何に取り組むのか。
まずは受け入れ態勢。訪れる人に大和村で過ごしてもらうという流れを作りたい。国直集落―アマミノクロウサギ研究飼育施設―奄美フォレストポリスなどの自然観察のルートづくりも一つ。大和村はこれまで食事をしたり休憩をしたりする場所が少なかった。道の駅構想にも取り組み、道路沿いに人が集まることで、特産品も売っていきたい。
―合同会社ひらとみの役割は
(農業や産業振興など)ずっと関わらないと進まない、短期間ではPRや販売ができないこともある。そういう意味でひらとみは立ち上げた。農業振興や農家の支援、住民サービスに寄り添った展開を検討している。観光農園などにも携わりながら収益を上げ、雇用も生む。将来に実を結ぶよう、農業や地域おこしで力を発揮していきたい。
―人口減少対策は。
今、働く場を作ることで定住を促す計画づくりを民間とも進めている。少しの収入があれば(都心でも)移住したいという話も聞く。先々どのような雇用ができるのか、ビジョンができればそれに先駆けてPRもできる。(村有地を貸し出すなど)民間参入の余地も多い。促すことで、受け入れのための仕事や住居を確保していきたい。
―4期目は何を重点にどんな村づくりを進めるのか。
自立すること。自分たちで運営し、自分たちで雇用を作るということも責任を持って考えなければ、村の運営は難しくなっていく。民間参入促進もその一環。村民を挙げて自分たちの村は自分たちで作っていく、大人から子どもまでが関わるための計画づくりを進めているところだ。
―改めて抱負を。
行政の中では大和村は待ったなしの状況。時代の流れに乗り遅れることなくスピード感を持って取り組んでいくことで、観光振興などにも波及効果が生まれてくる。資源が少ない中でも一つひとつ実現していきたい。
(聞き手・青木良貴)
(いじゅういん・げん)同村津名久出身。小学4年生から始めた水泳で培った体力は今も健在。休日は「手をかければかけただけ応えてくれる」と盆栽の手入れに精を出す。つるみ夫人(63)と長男(34)と同村大棚で3人暮らし。