天城町農業センター研修「修了証書」を受けてIターン就農する太田さん(左)=8月31日、同町役場で
【徳之島】2021年度天城町農業センター研修生の入退所式(町主催)が31日、同町役場であった。施設園芸品目の栽培実証など1年課程の基礎研修を終えた3人が修了証書を手にし、「新規就農者として頑張りたい」と力強く抱負を述べた。新たな入所者2人を含む4人が県外からのIターン組で占めた。95年度以降の修了者は計59人となった。
同町農業センター(同町瀬滝)の施設は、県が奄美地域の農業振興を図る広域施設として1975(昭和50)年8月に開設。95年に町が管理委託を受けて農業研修生の受け入れをスタート。県は02年度に全施設を町に無償譲渡。年間を通じた各種園芸品目の後継者の育成を進めている。
今年度研修(昨年9月1日~今年8月31日)の修了者は、▽太田照久さん(46)=当部▽坂田一仁さん(58)=天城▽豊蔵洋子さん(61)=瀬滝=の3人のほか、▽「山羊山やぎ子」(町企画財政課ふるさと創生室マスコット)。太田さんと坂田さんについては引き続き同農業センター内のハウス施設貸与(2年間無償)を利用して新規就農者となる。
太田さんについては2年前、わが子2人の同町西阿木名小学校三京分校への山海留学制度に応募し、愛知県から家族4人で移住した。京都大学の農学部卒だが園芸品目栽培など農業経験は、他の4人同様に「まったくのゼロ」だった。
修了者あいさつで太田さんは「研修では(野菜・花き・果樹類の)10品目と幅広く学べた。新規就農者としてまずメロン、パッションフルーツ、ミニトマト、実エンドウ、ゴーヤーなどをやっていきたい」と力強く抱負を紹介。居住地の同町当部と分校のある三京両集落に設置した無人販売所「かえる農園」についてもPRした。
森田弘光町長は「志(こころざし)ある人をしっかりと受け入れて研修。就農には悩みや大変なこともあると思うが、新しい人生に町も協力していきたい」などと祝福。地域おこし協力隊や都内のIT関連からの新規入所者たちには「農業体験を通じ、町が計画する農産物直売所の運営・発信にも協力を」と期待を寄せた。