献花する奄美大島ＪＣの前平聖理事長
奄美大島ＪＣ、犠牲者悼む
事故の記憶風化させない
公益社団法人奄美大島青年会議所（ＪＣ・前平聖理事長）は５日、奄美市名瀬金久町らんかん山にある「くれないの塔」で、59年前に自衛隊哨戒機が墜落し亡くなった犠牲者への慰霊式を行った。コロナ禍のため、参列者は奄美大島内のＪＣメンバー約10人程度に限定し、犠牲者へ哀悼の意を捧げた。
１９６２年９月３日、妊婦へ輸血するための血液を奄美大島へ輸送していた自衛隊機が、らんかん山に墜落した。その際、地元住民１人と隊員12人の尊い命が失われた。事故の翌年、ＪＣの募金活動などにより集まった寄付金で、らんかん山に「くれないの塔」が建立された。事故のあった９月３日に毎年慰霊祭を行っている。33回忌を機にいったん途絶えたが、事故の記憶を風化させない様にと、２００５年から再開された。奄美市では１９９７年より、この日を「献血の日」と定めている。
当日、式では理事長あいさつ、関係者あいさつ（代読）の後、黙祷・献花・焼香を捧げて、事故の記憶を風化させず後世に伝える決意を表した。
前平理事長は「ＪＣは今年で創立60年になるが、自衛隊の方々の使命を奄美群島の子ども達や群島民にこれからも感じていただくためにも、この事業は継続していきたい」と述べた。
なお、４、５日の２日間で予定していた清掃活動は５日のみに短縮。自衛隊による現地上空の慰霊飛行は中止になった。