専門家ら招き「ソクラテスミーティング」

各分野の専門家らを招いた徳之島高2年生の「総合的な探究の時間」の「ソクラテスミーティング」=9月30日、同校

徳之島高2年生「我が島への貢献」探究へ

【徳之島】徳之島高校(玉利博文校長)の2学年(普通科2・総合学科1クラス、92人)の授業「総合的な探究の時間」で30日、島内の地域おこし協力隊など多分野の専門家ら講師との直接対話「ソクラテスミーティング」があった。生徒たちは徳之島の魅力や課題に理解を深め、高校生の視点での個々の探究活動へのヒントも探り合った。

2学年対象の「同探究の時間」(週2時間・年間約70時間)の授業は今年で3年目。生徒が地域に即した様々な分野から主体的に課題を設定して、その情報収集や整理・分析、成果の集約までの探究能力の育成が目的。「ソクラテスミーティング」は、古代ギリシャの哲学者の対話集会にちなみ、各専門家らから地域の魅力や課題の理解、探究活動の方向性、勤労・職業観、進路意識などを高めるのがねらい。

講師には3町の現・元の地域おこし協力隊や町職員、民間団体の関係者ら計11人が協力。希少動植物保護や外来種対策、海洋汚染など地球環境問題、観光振興、農業(畜産)振興、医療保健、遠隔授業―など9分野(グループ)に分かれて、講話・座談会形式で約1時間半にわたってそれぞれ交流した。

生徒たちからは、世界自然遺産に登録された自分たちの島の外来種や希少種の盗掘・盗採・密猟、赤土流出など課題、産業振興では観光など島のPRや肉用・肥育牛振興の可能性―など高校生の感性と視点からさまざまな質問が寄せられた。

希望者が16人と最も多かった外来種・密猟者問題など自然保護分野(講師・エコツアーガイド常加奈子さん)に参加した清原槙(こずえ)さん(17)=総合学科=は、「外来種によって徳之島に元々いる在来種が減って農作物にも被害が出て、島民にもいろいろ迷惑が及んでいる。大変な問題だとあらためて分かり、今後の探究に参考になった」と話していた。

各探究の成果は来年1月以降の発表会で紹介される。