宇検村でサシバ観察会

上空を飛翔するサシバ
望遠鏡で止まっているサシバを観察。交代で観察した児童生徒ら

家族連れ50人以上参加
「とても楽しかった」

「サシバの渡りの季節、親子で観察楽しむ」―。2021年度宇検村「やけうちっ子環境学習 世界自然遺産博士講座」第5回奄美のかわいい野鳥たち~サシバ観察会~(村教育委員会主催)が10日、同村宇検漁港で開かれた。家族連れら50人以上が参加し、目の前の林の中を飛び交うサシバ、木の枝に止まったサシバ、上空を優雅に舞うサシバの観察を楽しんだ。

久志小中、田検小、名柄小中、阿室小中の児童生徒と保護者、幼児らが参加。元山公知村長らも参加した。

講師は、同村生勝出身の野鳥写真家・与名正三さん(69)が務めた。観察会の前に久志小中学校体育館で座学があった。与名さんは①本土で繁殖、子育てしたサシバは9月下旬ごろに奄美大島に渡って来る。子どもは8月末ごろには飛べるようになり、奄美大島へ渡って来る。その南下ルートを説明した②奄美大島はサシバの渡りの中継地(奄美大島からさらに南へ渡っていく)であり、越冬地(9月末~翌年4月ごろまで越冬)でもある。この時期に身近にサシバを観察できるのが奄美大島、宇検村の魅力③今年生まれた幼鳥の胸には縦模様があり、成鳥の胸には横模様がある④奄美大島でのサシバの餌(食べ物)は、セミ、カマキリ、バッタなど昆虫が多い。食べ物があるから奄美大島に来る⑤サシバがいることは自然の豊かさを示しており、生き物がたくさんいることは生物多様性を示している―などと述べた。

座学の後、宇検漁港に移動し、与名さんが説明役を務めた。最初に上空を飛ぶミサゴを観察した。その後、参加者の周囲に現れたサシバを目視、双眼鏡で観察した。木の枝などに止まったサシバは、与名さんがセットした望遠鏡で観察。児童生徒らは、交代しながら望遠鏡ではっきりと見えるサシバを観察していた。

吉澤康太くん(名柄中2年)は「自然に興味があったので参加した。じっくりとサシバを見ることができ、とても楽しかった。座学ではサシバの(胸の)模様、食べ物(餌)のことを知ることができ良かった」と話し、宮上美玲さん(阿室小2年)は「望遠鏡で止まっているサシバを見れた。(その後)どこに行くのだろうかと思った」と感想を話した。