鹿児島2区 三反園氏が初当選

初当選を決め、万歳する三反園氏(31日午後10時45分ごろ、鹿児島市谷山中央の選挙事務所)

知名度生かし、支持浸透 
奄美出身国会議員、議席失う
投票率は58・58%

 第49回衆院選は31日投票が行われ、即日開票の結果、奄美群島を含む鹿児島2区は、前知事で無所属新人の三反園訓氏(63)が、前職と新人の2人に競り勝ち、初当選を果たした。選挙戦は、三反園氏と自民党前職の金子万寿夫氏(74)が激しく競り合う構図となったが、全国的な自公政権への批判を追い風に、三反園氏が支持を広げた。2区の奄美出身候補が敗れるのは、小選挙区が初めて実施された1996年以来。2000年から21年続いた奄美出身の国会議員がいなくなった。2区の投票率は58・58%で、前回衆院選(2017年10月)の56・10%を2・48ポイント下回った。

 県内4選挙区では、1区と3区が2人、2区と4区が3人の計10人が立候補。党派別は自民党が前職4人(うち1人は比例選出)。立憲民主が前職1人、元職1人の計2人。共産が新人1人。社民が新人1人。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は新人1人。無所属新人1人。野党が候補者調整で統一候補を擁立したことで、与野党対決が鮮明となった。

 2区に立候補したのは、当選した三反園氏のほか、野党共闘による統一候補となった元県議で共産新人の松崎真琴氏(63)と、前議員の金子氏の3人。

 三反園氏は、知事時代に取り組んだ実績などを強調、知名度を武器に、つじ立ちなどをこまめに行い、選挙区全体で確実に支持を広げた。奄美群島にもたびたび足を運び、知事として27回にわたって群島各地を訪問したことなどを訴え、「離島振興など県政の課題にしっかり取り組んできた。奄美は第二の故郷。国民に寄り添い、地域の声を届ける政治を行う」などと訴えた。終盤は大票田の鹿児島市谷山地区を重点に遊説、前職の金子氏と激しい保守票の奪い合いを展開したが、政権与党への批判票なども取り込み激戦を制した。

 金子氏は、政治信条である「地方こそが原点」を掲げ、「奄美の国会議員の灯を消してはいけない」と支持を呼び掛けた。公明党や農政連などの党友好団体の支援を受け、組織選挙を展開したが、政権与党への逆風もあり、保守票をまとめられず、議席を守ることができなかった。

 松崎氏は、野党共闘による統一候補として、市民団体「オールかごしま」などの支援を受け、「政権交代」を訴えた。無党派層を中心に反自民票の結集を呼び掛けたが、支持を広げられなかった。

 2区の当日有権者数は33万7186人(男15万8551人、女17万8635人)。投票者数は19万7538人(男9万3781人、女10万3757人)だった。