「笠利さばくり隊」が始動

墓周りを清掃するなど墓参りを手伝う笠利さばくり隊隊員ら

地域の困り事は地域で解決
診療所・福祉施設有志

 奄美市笠利国保診療所と訪問看護ステーション・ふれ愛の郷職員らでつくる「笠利さばくり隊」が発足し、13日、ボランティアでの活動を始めた。この日は奄美市笠利町3カ所で、高齢者へ奉仕。診療所や福祉施設で培ったネットワークを最大限に生かし、地域の高齢者などを対象に〝困り事〟を解決していく。

 隊は、奄美市笠利町の同診療所やセンターで働く医師や介護士など約20人が所属。高齢化率が40%を超える同地区では、高齢者の一人暮らしなども多く、患者や利用者から悩みを聞く機会も多い。「何か手助けができないか」との強い思いから決断し、結成に至った。

 活動は、月1回の会合で手助けが必要な人の情報を収集。援助計画を立て、3、4カ月ごとの巡回を目指す。依頼は笠利地区限定も、家の片付けや庭の清掃、障子の張り替えや外出補助など、隊員ができる範囲で引き受けていく方針。今後は職種の垣根を越えて有志を増やしながら、継続的に活動にあたる考えだ。

 この日は隊員らが班を組んで、依頼のあった赤木名、笠利、用の3地区をそれぞれが訪問。墓参りへの手伝い、部屋の片づけや清掃など活動に勤しんだ。

 外出には車いすが必要な同町赤木名依頼者・中村誠寿さん(85)は、同伴の手助けを受け5年ぶりの墓参り。隊員らは、墓標を磨いて花を手向けるなど準備。隊員の車で到着した中村さんは「ありがたい」と感謝の言葉を述べつつ、感涙の表情で墓前に手を合わせた。

 同診療所長の橋口真征さんは、「地域にある困り事は、みんなで共有していくことが大事。できる限り地域で解決できるよう頑張りたい」と話した。

 困り事の依頼や隊への参加は、同診療所(担当・中林さん)電話0997―63―0011まで。