「面白い本屋の企画・展示」ワークショップ

初めて読んだ小説としてサン・テグジュペリの「星の王子さま」を参加者に紹介する谷浦さん

アイデアの出し方解説
東京大学大学院生が登壇、事例も紹介

奄美市名瀬末広町ティダモール中央通りにあるシェア本屋「AMAMI・MUJIN(アマミ・ムジン)」(木村麻里代表)は5日、来年3月初めに予定している「奄美発の面白い本屋の企画・展示」の開催に先立ちワークショップを同市市民交流センターでした。同展示会に協力する東京大学学際情報学府先端表現情報コース2年の谷浦翔紀さんが登壇。午前の部、午後の部に分かれ同店の「ブックオーナー」と呼ばれる小中高生を中心とした利用者が参加した。

今年5月末にオープンした同店はブックオーナーとして登録した個人が、それぞれ所有する本を持ちより店内の本を借りて販売する「シェア」本屋。すでにオープンから約5か月目となる11月初めには売上げ1000冊を突破。様々なイベントが高校生らを中心に企画されるなど、すでに地域に根差した新しい形の本屋として支持されている。

ワークショップはデザインエンジニアリングを専攻する谷浦さんが「面白い本屋」をつくるにあたりプロジェクターを使ったアイデアの出し方の解説をし、様々な本屋の事例なども合わせて紹介。それを踏まえて4グループに分かれた参加者同士が、アイデアを出し合う実践形式の内容となった。

谷浦さんは「奄美大島でこのような企画に参加するとは2か月前まで想像もしなかった。ご縁があってのことだが、今日のワークショップの子どもたちを見て都会よりも地方の子の方が、純粋な好奇心を追求出来る環境にあるのではないかと感じた。自身も電子書籍などとは異なる、紙の本の意味の再定義をしている最中。面白い本屋の展示会に向け引き続き準備を進めたい」と語った。

今回参加したブックオーナーの県立大島高校1年の岡﨑杏さんは「オープン前からシェア本屋に参加し児童文学のオーナーをしているが、今日のワークショップで視野が広がった。(展示会に生かせる)新しいアイデアを得られたと思う」と話した。