「記念の日のつどい」

復帰記念の日のつどいで献花する出席者ら

復帰運動の記憶を後世に
県内中高生も参加

 奄美群島の日本復帰(1953年)から68年の25日、奄美市名瀬の市民交流センターで「日本復帰記念の日のつどい」(同実行委員会主催)が開かれた。今年は郷土教育推進事業の一つ、「かごしま 夢 有為塾=ゆういじゅく=」の県内中高生も参加。出席者らは先人が成し遂げた無血の民族運動の偉業をたたえ、復帰運動の記憶を後世に語り継ぐ決意を新たにした。

 奄美群島は戦後1946年から8年間、日本から行政分離され米軍の統治下にあった。祖国への復帰を願い、群島民が一致団結の運動をおこし、68年前に復帰。96年に「日本復帰記念の日」と制定された。

 金久中2年生の田原純さんの司会で進行。国歌斉唱の後、来賓の奄美市長や市教育長をはじめ児童生徒や出席者らは先人をしのび、献花台に花を手向けた。

 主催者代表の安田壮平市長は、「祖国復帰を成し遂げた先人の血のにじむような努力に思いを馳せ、次世代へ語り継ぐことは我々の誇りであり責務」とあいさつ。先人の世界に誇る復帰運動をたたえた。

 名瀬小6年生による泉芳朗の詩「断食悲願」の朗読は、新型コロナウイルス感染防止対策のため録画映像で紹介。68年前と現在の同小の比較映像を交えながら、元気で力強く朗読する姿が映し出された。

 生徒代表の名瀬中2年生の豊倉永汰朗さんは、「米軍統治下時代と無血の復帰運動。それらは、転校してきて初めて知った奄美の貴重な歴史。先人の意志を、奄美の美しい自然と一緒に守っていきたい」と壇上で感想を発表した。

 新型コロナ対策のため、354席収容のマチナカホールは1座席おきとし、約180人が出席した。