与論町子ども議会

パネルを使い質問する小学生ら=与論町役場議会議場=

学校生活や人口減少について意見
小中高生12人が議員に

【沖永良部】与論町の子ども議会「ゆめ議会2021」が7日、同町役場の議会議場であった。町内の小中高生12人が議員となって学校生活や自然環境、公共施設などについて山元宗町長ら執行部に質問した。

子ども達の意見を町づくりに生かし、社会参画への意欲を高めてもらおうと町教育委員会が主催。2019年に初開催し、今回2回目。今後隔年で実施する。

各小中高校の代表として参加した子ども議員は、昨年5月から4回にわたりミーティングを行い、質問テーマや要望などを考えてきた。

与論小学校の体育館の雨漏りについて質問した同小6年の冨岡栞菜さん(11)は「雨が降ると壁や床が濡れて、安心してスポーツができない」と訴えた。担当課長は「町には体育館の屋根を修理できる専門的な会社がないため島外の会社に依頼しているが、感染症の影響でスムーズに修理が行えない状況が続いている」と答弁、来年度修理する予定とした。

那間小6年の坂元ひろ子さん(12)は、同小校区の人口がほかの校区より少なくなっている現状をパネルで説明し、解決策として校区内に住宅や公園、店舗などの整備を要望した。担当課長は「今年度、住宅を建設する準備を進めている」と答えた。

海ごみ問題をテーマにした与論小6年の松井沙宙さん(12)は、町内の小中高生にアンケートを実施した結果から「町には、海ごみが問題になっていると感じている人が多い」と述べ、島の各砂浜に回収した海ごみを入れる「拾い箱」の設置を要望した。

このほか、茶花海岸へのシャワー室の設置や総合グラウンドの整備、街灯の増設などを求める意見が出た。

久留満博副町長は「大人の目線で考えていると、気付かない点が多かった。今回出た質問に応えられるよう努力していきたい」と講評した。

議長を務めた与論高1年の吉田莉萌さん(16)は「与論をもっと良くする方法を考える機会になった。将来、大人になって貢献できることを見つけられた」と話した。