3回目の新型コロナワクチンの予約受付が始まった龍郷町で、電話予約に対応する職員
奄美大島で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、65歳以上の高齢者を対象とした3回目のワクチン追加接種が、大和村を皮切りに、奄美群島内の12市町村でも15日から開始される。各市町村では接種券の発送が始まっており、11日には龍郷町で予約受付も始まった。ほとんどの市町村が2月以降の接種開始を見込んでいるが、県内では感染力が強い新変異株「オミクロン株」にほぼ置き換わったと見られており、追加接種を急ぐ動きもみられる。
龍郷町は11日午前9時から、電話とインターネットで予約受付を開始した。同町は追加接種を1月27から実施する計画で、同日は同町りゅうがく館で集団接種を行う。また2月1日からは町内医療機関2施設で個別接種も開始する。
群島内でいち早く追加接種を実施するのは、大和村で、15、16日に1、2回目の接種同様、村体育館で集落ごとに時間帯を決めて行う。昨年末には高齢者への接種券の発送も終えており、準備万端の構えだ。
対象者(約1万3600人)が最も多い奄美市は、2月13日から奄美市名瀬の奄美ワクチンセンター(奄美文化センター)での集団接種を開始するほか、市内の医療機関での個別接種も2月以降順次開始する。同センターでの集団接種は同月22日までの10日間を予定、1日当たり約400人の接種を行う。使用するワクチンはファイザー、モデルナの2社製となる見込みで、2回目の接種終了が早かった人から順次、追加接種に必要な接種券を発送している。
笠利地区は24、25日に農村環境改善センターで、住用地区は26日に奄美体験交流館で実施。ファイザー製を使用する。
奄美大島5市町村は昨年末、県に対しすべてファイザー製にするよう要請していたが、同市では一部、モデルナ製を使用することになる。県内の市町村が過去2回で使用したのは全てファイザー製だったため、モデルナ製との「交差接種」への不安などが指摘されているが、市ワクチン接種推進室は「年明け以降の感染者の急拡大を受け、3回目接種を早急に進めることを優先した」とし、交差接種への理解を求めた。
和泊町と知名町は、2回目接種完了が最も早い高齢者が、終了後8カ月を迎える1月下旬の接種開始を予定。一方で、2月以降は、接種間隔を7カ月に短縮、「前倒し接種を希望する高齢者に対応できるよう準備を進めている」(和泊町)という。
徳之島3町では島内の医療機関などでの個別接種が2月から開始予定。また、天城町は3月上旬に町内医療機関での集団接種も計画している。
群島内で最も遅く開始予定なのは喜界町で、4月中旬ごろになる見通しと言う。同町の担当者は「できるだけ早急に開始できるよう準備したいが、2回目の終了時期や島内の医療体制などを考えると、難しい面もある」としている。