特定地域づくり事業説明会

特定地域づくり事業協同組合の説明会に多くの事業者が参加した(24日、奄美市役所)

担い手不足、人口減解消へ
奄美市

 地域企業の担い手不足解消、地域人口の増加に期待が集まる支援制度「特定地域づくり事業協同組合」の説明会が24日、奄美市役所であった。同市商工政策課主催で、市内の事業者を中心に約30人が参加。事業者の人材不足解消の他、市町村の定住増加、移住者・Uターン者の安定した就職先の確保を担う同組合の仕組みとその設立、活用方法が説明された。

 特定地域づくり事業協同組合は、2020年6月に施行した「特定地域づくり事業推進法」に基づく事業。奄美群島では、昨年5月に沖永良部島で、和泊町、知名町を活動区域とする「えらぶ島づくり事業協同組合」が県内初の認定を受けた。現在他に、与論町の同組合が申請中だという。

 同会に登壇した県中小企業団体中央会連携情報課の坂本和俊課長によると、同組合は①地域中小企業者が設立、組合員として出資②市町村の財政支援(補助金)③移住者・Uターン者(地元住民も可)が派遣職員として同組合に雇用され、季節ごとに複数事業者に労働派遣(マルチワーカー)、就業する―といった三者の協力関係による制度と説明。同制度により事業者の担い手不足、市町村の過疎化、移住者の不安定な就業環境など課題が解決されると解説した。

 事例として、移住者の受け入れを中心に農業、ホテル、総合スーパーなど6業種8事業者による沖永良部島の組合の他、地元出身者の転出抑止策として、同制度を利用する長崎県五島市の組合の活動を紹介。多様な職種経験から就職を目指すインターンシップ型派遣を説明した。

 質疑応答では参加者から「派遣職員の募集を一事業所だけでするより、組合が窓口となれば数、質的にも良い人材が集まると思う。ぜひ、組合設立に参加したい」という意見があった。

 坂本課長は「移住者にとって島外から来て、すぐ1社に就職することは心の負担になりかねない。組合の利用で、様々な仕事に就け、適性を見つける機会になる」と話した。