定住促進「移住者目線で」

新年度から喜界町の移住コーディネーターに着任する行本さん(右)とその家族、トカラ馬のグロッシーと

喜界町の移住コーディネーター
宅建士資格 行本さん、4月から着任

4月から喜界町の地域おこし協力隊に着任する行本未沙希さん(39)が、喜界島に到着した。宅建士の資格を生かして町内への移住希望者をサポートしていく予定で、行本さんは「“自分も移住者”という目線を生かして、喜界町に関心を持った人が楽しく安心して暮らせるよう関わっていきたい」と意気込んでいる。

着任は新年度から。行本さんは大阪府出身。宅地建物取引士の資格を持ち、協力隊の移住コーディネーターとして3年間、町内への移住・定住促進や空き家の解消などに努めていく。

喜界島との出会いは2016年11月。「喜界」という名称の響きにひかれて訪ねた観光旅行で初来島。人との出会いが大好きだという行本さんは、島の人のさりげない温かさにふれ、すぐさま虜に。2020年には、仕事を辞めて同町の牧場へステイファーム。手伝いをしていた役場担当者から「住みませんか?」と薦められたのを機に、東京で暮らす夫と息子の家族3人での移住を決意した。

18日、午前4時着の船で到着した行本さんは「移住時の悩みは何か、困り事は何かなど、しっかりメモしておきたい」と心はすでに移住コーディネーター。まずは「喜界町の歴史や文化も深く知りたいし、他の島の取り組みも学んで参考にもしたい」とも話す。

着任後は、物件の紹介や相談だけでなく、SNSを通じた島の生活の発信なども考えており「関係する人を増やし、喜界島に来るきっかけにしたい」と行本さん。「完璧には出来ないかもしれないけれど、動いていかなければ人は増えない。同じ移住者目線を大切にしながら、希望者が安心できるような定住促進にしていきたい」と決意している。

なお、同町の移住・定住促進策は隈崎悦男町長が22年度の施政方針で述べた四重点施策の一つ。人口減少対策の一環として、移住コーディネーターの専属雇用、積極的な受け入れ態勢の構築などを掲げている。