大玉化へ最終摘果時期

前年並みの生産量が見込まれている大和村のスモモ。大玉化へ最終摘果期に入る

 

着果ばらつき、生産量前年並みか
大和村スモモ

 

 初夏の味覚スモモは来月下旬から収穫期に入る。主力産地の大和村の果樹園では、大人の親指サイズまで大きくなった果実も見られるが、高値取引される大玉化のためにも摘果が不可欠。関係機関は来週、最終摘果に向けた講習会を予定している。

 村産業振興課によると作付面積は40㌶で、このうち20㌶(81人)が、安心・安全の根拠となるK-GAP(かごしまの農林水産物認証制度)登録しているという。同村のスモモ生産量は豊作だった2018年の約65㌧から一転、19年約16㌧、20年は約3㌧と記録的な不作となり、大幅に落ち込んだ。18年並みの豊作が期待された21年は約40㌧まで回復した。

 今年の生産量は前年並みを見込んでいる。落葉樹のスモモは、樹勢回復へ冬場の低温が欠かせない。年末から年明けにかけて寒に恵まれたものの、開花期の2月に雨が多かった関係で受粉がしっかりできたのと、できなかったことによる開花状況、さらに現在の着果状況に差が出ている。 

 「着果にばらつきがあり、地域によって良好なところと、今一つのところがある。これからの生育に向けては2L・3Lと果実の大玉化へ最終摘果を徹底させたい」(村産業振興課)。気温の上昇、降雨といった気象条件により病害虫(カイガラムシ、アブラムシなど)被害にも注意が必要。適切な薬剤防除も働きかけていく。

 同村で生産されているスモモは湯湾釜にある選果場に持ち込まれ、ほとんどがJA共販で取り扱われる。「奄美プラム」として全国に出荷されるが、加工用(B品)よりも青果用(A品)の方が高値取引される。JAは「今期の開花は2月上旬に一斉に咲いたが、中旬のピークを過ぎても下旬まで長期にわたって咲く傾向が見られた。こうした遅れ花による着果は、大型連休(GW)期間中に摘果に乗り出し、大玉の果実づくりを優先してもらいたい」と呼びかける。「1結果枝に1果」を目安にして果実を肥大させることで、2L以上の大玉サイズが収穫できる。