請島などで合同災害救助訓練

巡視船いそなみによる機材搬送、急患搬送などの訓練が行われた(25日、請島・請阿室港)

自然災害時の連携体制確認
古仁屋海保・九州電力など4機関

古仁屋海上保安署は25日、瀬戸内町の古仁屋漁港及び請島の請阿室港で合同防災救助訓練を実施した。訓練には同署の他、九州電力配送電(株)、瀬戸内町消防団、町役場など約20人が参加。同署の巡視船「いそなみ」による救急搬送の他、機材搬送、給水支援など訓練を4機関合同で実施。台風・豪雨などによる被害発生時の自治体の協力要請に基づく救助活動、連携体制を確認した。

同合同訓練は、2019年3月に締結した「第十管区海上保安本部と九州電力(株)との災害時における相互協力に関する協定」に基づくもの。18年8月、台風19号通過で鹿児島県のトカラ列島で停電が発生した際、十管が巡視船で九州電力の職員や機材などを搬送したことがきっかけ。当時、海上保安庁と電力会社による協定締結は全国初だった。

訓練は、離島・請島における自然災害(台風、豪雨など)による被害(停電、断水など)発生を想定。同町の協力要請に基づく巡視船による関連機関職員、または、機材などの搬送及び救助活動の連携が目的。

この日、ブリーフィング(状況説明)後、古仁屋港仲村海岸(古仁屋漁港)に接岸した「いそなみ」への、同船クレーンを使用した約80キロある変圧器の搭載作業から訓練を開始。電力供給に必要となる「がいし」(絶縁体)も運び込み、請島・請阿室港へ出航。到着後、同機材を同港岸壁に搬送。その後、同船からの給水支援、同島で発生した急患の搬送が消防団との連携によって速やかに行われ、無事この日の訓練は終了した。

訓練後、同署の日高弘人署長は「このような合同訓練、連携作業は、各機関『顔が見える』関係を、日ごろから築くことが大事。関係機関が許す限り、今後も合同訓練を重ねて実施していきたい」と話した。