世界自然遺産の森を散策

エコツアーガイドの解説で、世界自然遺産に親しむ亀津小4年生たち=26日、「剥岳林道」(徳之島町側)

箱わなに捕獲されていたノネコの姿に仰天も(天城町三京側)

「世界の宝」に親しみ 亀津小4年生ら、ノネコ捕獲目撃も

【徳之島】「世界自然遺産の森を歩いて体感しよう」―。2022年度徳之島町環境教育推進事業による同町立亀津小学校(池田昌弘校長)4年生ら68人の森林散策フィールドワークが26日、世界自然遺産地域「剥岳林道」(約2・5キロ)であった。7人のエコツアーガイドの案内で世界自然遺産の価値にふれた。

同事業は、総合的な学習の時間を活用し、自然環境とのつながりを意識できる人材の育成などが目的。先月の第1回学習では、環境省・徳之島管理官事務所のレンジャーを講師に、自分たちの暮す島の大自然が育んだ世界に誇る生物多様性“世界の宝”を意識し合っていた。

「剥岳林道」(徳之島町大原―天城町三京の約2・5キロ)は、世界自然遺産地域と奄美群島国立公園特別保護地区の一部が重なる重要エリア。日ごろは金属ゲートで施錠。一般はエコツアーガイド同行なしでは入れない。

児童たちは学校から大型バスで大原側の林道入口に移動。この日の森林散策にはベテランの松村博光さん(天城町)ら徳之島の認定エコツアーガイド7人が協力した。

安全対策などを聴いたあと、児童たちは7班に分かれて時差出発。初夏の森を彩る特徴的な植物の説明に耳を傾け、タブレット端末のカメラ機能で記録。象徴的なオキナワウラジロガシ群落では巨大板根にも歓声が上がった。

三京側の出口付近では、箱わなに捕獲されていた野生化した猫(ノネコ)の姿も確認。図らずもアマミノクロウサギなど希少生物を捕食してしまう“外来種”の存在も現認した。

児童の一人・濱田荘志(そうし)君は「一番良かったのは、いろんな大切な植物など大自然が大地に咲きほこっていたこと。ヒメハブもこわかったけど迫力があった。また来てみたいです」と話していた。