龍郷町で県下一斉防災点検

県の整備事業の進ちょく状況などを説明した一斉防災点検

県大島支庁 危険時期備え河川事業など視察

県大島支庁は27日、梅雨や台風による豪雨や土砂災害に見舞われる危険が高まる季節に備え、工事の進み具合や安全を確認する「県下一斉防災点検」を実施した。今年度は龍郷町の大美川工区と浦地区で被災箇所を視察。整備の進ちょく状況などを確認した。

災害の未然防止と発生時の避難誘導体制の整備が目的。同庁や龍郷町職員、議員など約20人が参加した。

大美川の「総合流域防災(河川)事業」(大勝地内)は、2011年9月の豪雨で河川が氾らんし、101戸の浸水被害などが発生したことを受けて16年から着手。総事業費は約24億円。3㌔に渡る川の流域を対象に護岸工事(進ちょく率66%)を進めている。

現地を訪れた一行は、支庁職員から事業の概要や工法の役割についてパネルで解説を受けた。川幅の拡張や築堤、橋梁の架け替えについて進み具合や今後の計画が説明。下流から進める工事手順への質問では「上流からだと雨などで水量が増えた場合には下流で受け止められない。下流からの工事が鉄則だ」などと答えた。

浦の「総合流域防災(地すべり)事業」は、10年10月の大雨による地すべりで人家と道路が埋没の被害などを受けた。同年にアンカー工やボーリングの工事に着手。現場では、工期や安全性についての質問などが飛び交った。

点検を終えた同支庁の本一郎総務企画部長は「(災害発生時)一番重要なのは住んでいる人が危険な場所を含めて理解していること。(ハードだけでなく)情報を素早く取り入れ、避難を心掛けるための周知などもしっかり進めたい」と話し、視察した向井俊夫県議は「同じ現場でも状況は刻々と変わる。安心安全へは地元の意見も聞きながら、毎年欠かさず点検を続けてほしい」と話した。