焼酎部門最高賞を黒糖焼酎独占

TWSC2022焼酎部門で奄美の黒糖焼酎2商品が最高賞を独占した(「ベスト・オブ・ザ・ベスト」受賞ボトル=TWSCホームページより)

「じょうご世界自然遺産ラベル」「紅さんご」
TWSC「ベスト・オブ・ザ・ベスト」

 「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2022」(TWSC実行委員会主催)焼酎部門で、最高賞のベスト・オブ・ザ・ベストが決定したことが2日発表された。アルコール度数が25度(%)以下と26度(%)以上の二つのカテゴリーに分けて発表されたが、25度以下「じょうご世界自然遺産ラベル」(奄美大島酒造㈱)、26度以上「紅さんご」(㈱奄美大島開運酒造)といずれも黒糖焼酎商品が独占した。

 TWSCは日本唯一のウイスキー、スピリッツ、焼酎の品評会で、その規模はアジア最大級とされる。これまで全4回の累積実績では出品数は2711本(ウイスキー962、スピリッツ955、焼酎794)に及ぶ。

 TWSC焼酎部門の「ベスト・オブ・ザ・ベスト」は原料によるカテゴリーを越えて、出品された全ての焼酎の中での1位を決める賞で、「TWSCの中で最も注目を集める賞」(主催者)。一次審査の結果で高得点だったアイテム(品目)を、二次審査のために編成された特別審査チームがあらためてブラインドテイスティングで採点し決定するもの。昨年まで焼酎部門全体で1本のみ選出していたが、今年はカテゴリーを二つ(25度以下と26度以上)に分け、それぞれから1本の受賞とした。

 ベスト・オブ・ザ・ベスト審査では、25度以下から14アイテム、26度以上から15アイテムを選出し、特別審査チーム18人(延べ36人)と実行委員長であらためて採点。一次審査と同様、中身が分からないよう小瓶分けしたものを各審査員へ送付し、ブラインドテイスティングにて100点満点で採点するリモート形式で実施。全員の平均点が最も高いアイテムがベスト・オブ・ザ・ベストとなった。

 焼酎部門最高賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」は二つのカテゴリーを黒糖焼酎が独占した。25度以下は「じょうご世界自然遺産ラベル」が受賞したが、奄美大島酒造によると、TWSCでの受賞は20年の最高金賞に続いてで、最高賞は初めてという。杜氏の安原淳一郎さんは「日本一の賞を主力商品の『じょうご』が受賞し、とてもうれしい。原料の黒糖は全て地元の奄美産を使っており、それが評価されたのではないか。奄美黒糖焼酎は、焼酎の中で全国的にはまだ知られていないだけに、今回の受賞を契機に全国に知れ渡ってほしい。受賞のロゴマークを商品に活用し幅広く宣伝していきたい。蔵の作り手みんなが力を合わせた結果であり、全員で受賞を喜びたい」と語った。

 26度以上で最高賞となった「紅さんご」は、昨年に続いて2年連続の受賞。奄美大島開運酒造の杜氏・高妻淑三さんは「2年連続受賞の快挙に感無量です。また、焼酎部門の最高位を黒糖焼酎が制したことは、焼酎業界にあらたな歴史を築いたと言っても過言ではないと思います。これからも、ここ宇検村から海を越え世界に向けて多くの人々に”旨い”と言っていただける一滴をお届けできるよう精進していきます」との談話を発表した。